「精霊の宿る木」ガジュマル・その魅力と育て方について

丸みを帯びたユニークな幹が特徴的なガジュマル。丈夫で育てやすいだけでなく、ギフトとしても高い人気を誇る観葉植物です。育て方のポイントと併せ、かわいいだけじゃない・神秘的なガジュマルの魅力について紐解いていきましょう。

目次

ガジュマルの特徴

ガジュマルの根

ずんぐりした幹が足のように分かれていたり、ねじれていたり、変わった成長の仕方をしたニンジンのように見えたり。ガジュマルの特徴のひとつはその樹形です。幹の部分は、実は根っこにあたります。数年かけて育てた株を一旦土から引き上げ、根が見える状態で仕立て直してつくられています。丁寧に人の手をかけられた木の形は、ひとつとして同じものがありません。

またガジュマルは、気根(きこん)があるのも特徴です。気根は、枝や幹から生えて垂れ下がり、空気中から水分や養分を吸収しながら木の成長を助けます。長く伸びた気根は、地面につくと太さを増し、木を支える支柱の役割も担うようになります。

樹齢を重ねたガジュマルには、たくさんの気根がすだれのように垂れ下がります。大きなガジュマルの下でさらさら揺れる気根の束は、神秘的で厳かな雰囲気を醸し出します。

沖縄の名護市に、天然記念物に指定された大きなガジュマルがあります。「ひんぷんガジュマル」と名付けられた木は樹齢300年ともいわれ、魔除けとして地域で暮らす方々に信仰されているだけでなく、パワースポットとしても人気の観光名所になっています。

神聖視されるガジュマル

「キジムナー」という名前を聞いたことはないでしょうか。古く沖縄に言い伝えられている精霊の名前です。諸説ありますが、キジムナーは赤い髪の子供の姿をしていて、いたずら好きで人が大好き。ガジュマルの古木を住処にしているといわれています。

ガジュマルは沖縄を始め、台湾・東南アジア・ミクロネシア・オーストラリアなどの熱帯地方に広く分布しており、いずれもその神秘的な佇まいから、ご神木として大切にされている事が多いようです。

ガジュマルは「多幸の木」「幸せを呼ぶ木」とも呼ばれています。強い生命力にちなんで花言葉は「健康」。縁起のいい名前にあやかり、お祝いや贈り物としても人気のある観葉植物です。

ガジュマルの選び方

新しくガジュマルを迎える際、お店で下記のポイントに注意してみてください。元気でトラブルのない株を選んで、健やかに育ててあげましょう。

ガジュマルを選ぶ際のポイント
  • 幹にしわがない
  • 根がぐらつかない
  • 葉がつやつやで黄ばんでいない
  • 葉裏に小さな虫がいない
  • 蜘蛛の巣のようなものがついていない

基本的な育て方

ガジュマルは明るい日陰であれば、室内外どちらでも育てることが出来ます。丈夫で適応力もあるので、比較的どんなお部屋でもよく育ちます。葉焼けを防ぐため、夏場の直射日光には当たらないようにしましょう。

暑さには強いですが、寒さはやや苦手です。5℃あれば冬越しが出来ますので、寒い季節は室内で育ててあげましょう。急激な温度変化で負担をかけないよう、気温が下がる11月くらいには室内に入れて慣らしてあげるのがおすすめです。

また、剪定や植え替えは、成長期の前半(4~6月)までがおすすめです。根や枝に傷がついても、成長期は株の回復が早いです。反対に、成長が止まる冬場は避けるようにしましょう。

水やりについて

水のやりすぎは、根腐れを招き、枯らす原因になるため注意が必要です。水は、鉢の土が乾いてからあげるようにしましょう。土に触って湿り気があるかないかでタイミングをはかれます。あげるときはたっぷり、鉢底から水があふれてくるまであげます。頻度の目安は、水分の蒸散が活発な夏場は毎日、休眠期にあたる冬場は、様子を見つつ週1回程度で充分です。

また、こまめな葉水(葉の表裏に霧吹きで水を吹きかけてあげる)がおすすめです。乾燥から葉を守るだけでなく、葉裏につきやすいハダニやカイガラムシを防ぐ効果があります。

剪定

生育旺盛で、成長期にあたる4~10月は枝葉をどんどん茂らせます。枝葉が伸びて混み合ってきたら、風通しをよくするため、剪定をしてあげるようにしましょう。切ってもすぐ新しい枝が伸びますので、バランスを見ながら思い切って刈ってしまって大丈夫です。

枝の切り口からは白い樹液が出ます。乾くと固まって取れなくなるため、他の葉につかないように気をつけましょう。太い枝を切ると、滴るほど樹液が出るため、手や床・お洋服につかないように注意が必要です。枝を切る際はティッシュを用意しておくと安心です。

剪定した枝を土に挿し、ガジュマルを増やすことが出来ます。挿し木で増やす場合、元の株のように根元のふくらみは出来ませんが、スマートに伸びていくガジュマルもきれいです。

植え替え

成長が早い分、長く育てていると根がつまってきます。1年に1回か、もしくは2年に1回程度、植え替えをしてあげましょう。植え替えの際は、一回り大きな鉢にするのがおすすめですが、木の大きさをあまり変えたくない場合は元の鉢で大丈夫です。その際は一度鉢から株を抜き、伸びすぎた根を1/3程度まで切って戻してあげましょう。

まとめ

ガジュマルは、入れる鉢によって表情が変わります。白い陶器でシックな洋風に、和柄や焼き物の鉢で盆栽風に、ガラスの器を使ってハイドロカルチャーで涼しげに。お部屋のワンポイントとして、お好みの鉢をセレクトしてみてはいかがでしょう。

「精霊の宿る木」ガジュマル。のびのびと育てていたら、何か良いモノが宿ってくれるかもしれません。

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