香りがよく、ドライフラワーとしても長く楽しめるラベンダー。今回はラベンダーの育て方や種類について解説していきます。鉢植えで、ベランダで、お庭で。ご自宅でラベンダー栽培を楽しんでみませんか?
ラベンダーの基本情報
古くから薬草やハーブとして生活に根付いていた植物、ラベンダー。原産地は地中海沿岸、日当たりのいい、乾燥した気候でよく育ちます。室内での鉢植えだけでなく、地植えでも育てやすい植物です。
同じラベンダーの中でも、香りの強いものや弱いもの、暑さ寒さに強いものなど、丈夫さや性質が異なる品種が混在しています。どこで育てたいかに合わせ、特徴から品種を選ぶのがおすすめです。
ラベンダーの育て方
室内栽培の方法
鉢植えとして以外に、ベランダや地植えなど、屋外でも育てやすいラベンダー。
どこで育てる場合でも、ラベンダーが好む環境は変わりません。特徴を押さえたうえで、育てたい場所で育ててみてください。
窓際におく
ラベンダーは、日当たりを好みます。鉢植えで育てる場合、風通しのいい窓際に置いてあげましょう。よく育つ気温は15~20℃くらいの暖かさです。
草花用培養土で問題なし
水はけが良い土を選ぶようにしましょう。ラベンダー専用の培養土が市販されていますが、市販の草花用培養土で問題なく育ちます。専用土は、肥料も入っているため、初心者の方も扱いやすくおすすめです。
水やりは土が乾いてから
ラベンダーは、乾燥した土地でよく育ちます。水やりは、土がしっかりと乾いたことを確認してからたっぷりあげるようにしましょう。あげるときは、鉢全体に水が行きわたり、底から滴るくらいたっぷりの量をあげます。土をしっかり乾かす、たっぷりあげる。このメリハリに気をつけてみましょう。
ラベンダーは、葉に細かい毛が生えているため、葉の上から水をかけると水分が残りやすく、蒸れてしまいます。葉や花には水をかけないように注意し、根元の方に水を与えるようにしましょう。
ベランダ栽培のポイント
日当たりがよく、西日が当たり過ぎないベランダであればベストです。
プランターで育てる場合、ラベンダーは単体で育てるようにしましょう。
ラベンダーは、乾燥した土壌を好みますが、寄せ植えに用いられる一般的な草花は、ラベンダーに比べると乾燥に弱いことが多いです。同じプランターで寄せ植えをすると、水をあげすぎて蒸れてしまう可能性も。
高温多湿に弱いため、長雨が続くときは軒下に移動させてあげるようにしましょう。
地植えのポイント
日当たりのいい場所、西日が長く当たらない場所を選んで植えるようにしましょう。
地植えのタイミングは春がおすすめです。植え付ける前に、草取りをし、スコップやクワでよく耕します。そこに腐葉土や緩効性肥料を混ぜ込み、水はけがよく、肥料を蓄えた土壌に整えてあげましょう。
地植えは、寒くなっても室内に移してあげることが出来ません。耐寒性のあるイングリッシュ系・ラバンディン系などを選んで植えてみましょう。
ラベンダーの剪定の仕方
丈夫な株に育てつつ、たくさんの花をつけてくれるように、ラベンダーは剪定に気を配ってあげましょう。
剪定は、風通しをよくするだけでなく、ラベンダーの負担を減らし、病気を防ぐ効果があります。
開花後の花は、そのままにしておくとタネをつけます。タネが作られる前に剪定をすることで、株の体力を温存できるため、翌年にも花を咲かせやすくなります。
花が咲いたら、上から葉を3対ほど数えたところで切り落とします。ラベンダーの花は、開花直前が最高潮に香ります。剪定を兼ねて収穫し、ドライフラワーにしてみるのもおすすめです。
元気な苗の選び方
ラベンダーの鉢植えや苗は、たくさん並んでいると皆同じに見えるかもしれません。
以下のポイントにしぼって選んでみてください。
- 葉の色が良く、変色した部分がないもの
- 茎の節間が詰まっているもの
- つぼみがたくさんついているもの
見た目が細く、茎がひょろひょろと頼りなく感じるものは避けるようにしましょう。
鉢の土にも注目です。コケが生え、じめっとした様子の土の苗は、すでに根腐れを起こしやすい可能性があります。
どんな状態の苗でも、自宅で育てるうちに回復させることは出来ますが、初めて育てる場合は、株のしっかりとした苗を選んで買う方が安心です。
ラベンダーの種類
イングリッシュ系(アングスティフォリア系)
開花時期:5~7月
コモンラベンダーとも呼ばれ、園芸用ラベンダーの代表的な品種です。香りが強いのが特徴で、精油などの原料によく使われます。寒い地域でよく育つ種類で、国内の栽培地では北海道・富良野が有名どころ。
乾燥にも強いですが、高温多湿にはやや弱いラベンダーです。
ラバンディン系
開花時期:6~9月
イングリッシュラベンダーに似ていますが、全体的に大きいラバンディン系。香りの強いイングリッシュ系と、暑さに強いスパイクラベンダーをかけ合わせた品種です。生育旺盛で暑さに強く、香りもいいのが特徴です。丈夫で病気に強い上、株がのびのびと大きく育つため、地植えにもおすすめです。
フレンチラベンダー
開花時期:5~7月
ウサギの耳のような形の苞(ほう)をつけるラベンダーです。香りはやや弱いですが、ドライフラワーや花壇での観賞用にも向いています。イタリアン・ラベンダー、ストエカス・ラベンダー、スパニッシュ・ラベンダーとも呼ばれています。暑さに強く、やや寒さに弱い特徴があります。
デンタータ系
開花時期:5~11月
ラテン語で「歯のような」を意味する名前を持つデンタータ系。ぎざぎざとした形状の葉が特徴のラベンダーで、別名フリンジラベンダーとも呼ばれています。暑さには強いものの、寒さには弱いため、室内栽培に向いています。大型で、茎は太くがっしりとしていますが、香りは弱めの種類です。
まとめ
ラベンダーは、実は室内外問わず育てやすい植物です。お家で育てることで、咲いたフレッシュな香りだけでなく、ドライフラワーとしても長く楽しむことができます。香りを活かしたさまざまな使い方があるので、咲くのも収穫もとても楽しみになっちゃいますね。