サーキュレーターで観葉植物が育ちやすい環境づくり

室内で植物を育てる際、つい忘れがちなのが“風通し”です。風が通らず、空気がこもった空間は、観葉植物の生長のさまたげになることも。今回は、サーキュレーターを活用した、植物が良く育つ環境づくりのご提案です。

目次

空気循環がもたらす効果

植物が健康的に育つために不可欠な要素。適度な日当たりや水やりももちろん大切ですが、風通しの良さも欠かせません。

なぜ風通しがいいと、植物がより育ちやすくなるのでしょうか。

適度な湿度管理

閉め切ったままの室内は、もわっとして湿気がこもりがちです。風通しが悪くなると、鉢の土が乾きにくくなります。頻繁に水をあげる必要がなさようで、一見いいことのように思えます。が、水はけが悪く多湿の状態が続くことは、カビや病気・キノコや害虫を招く原因になります。発生しても対処は可能ですが、状況によってはかなり手間がかかることに。

また、植物に合わない多湿環境は、株の根を腐らせる原因につながります。根腐れは、植物が枯れる大きな要因のひとつ。植物は根から栄養や水分を吸収しているため、根腐れが起きるとダイレクトに健康を害します。

風通しをよくすることは、植物を弱らせる要因を遠ざける策として有効です。

気温差の緩和

朝と晩で体感温度が大きく変わる環境は、植物にとって大きなストレスになります。冬場の窓辺を想像してみてください。日差しがあたる昼間はあたたかいですが、夜になると気温が下がり、窓を閉めていても冷え込みを感じますよね。

温度差が生まれやすい真冬や真夏は、鉢の置き場所を工夫してあげるのもひとつの手です。プラス、室内の空気を循環させることで、極端な温度差を緩和し、植物のストレスを減らしてあげることが出来ます。

生長の促進

植物は、光や風通しが充分でないと徒長(とちょう)し、ひょろひょろと間延びした姿になります。徒長は生長が早いように見えますが、生育としては不十分。あまり丈夫ではない状態です。適度に風を受けることで、からだを支えようとする働きが生まれ、植物が強くしっかりとした株に育つようになるのです。

また、ほどよく風を受けることでからだが乾き、根からの水分吸収を促します。葉からの蒸散を活性化する効果も。
喉が渇いたら水を飲みたいと思い、空気のいいところで深呼吸をしたいと思う。風通しがいい空間では、植物本来の生理的な反応が鈍らないため、よく生長するともいえるでしょう。

サーキュレーターと扇風機の違い

ここで、同じように空気を送り出す2つの家電について、ざっくり見ていきましょう。

サーキュレーターと扇風機、風を作って送り出す働きとしては同じです。

異なるのは目的。

扇風機は、人の体に直接風を当てることで体感温度を下げ、涼しくさせる効果を見込んだ家電です。

サーキュレーターは、室内の空気を循環させる目的でつくられています。

目的が異なるということは、つくられる風の特徴にも違いがあります。

扇風機は、大きい羽根を回して本体周辺にやわらかく風を送り出しますが、サーキュレーターがつくる風は直線的で強い風。広い空間の中で遠くまで風を届け、空気を攪拌出来るよう工夫されています。数段階の角度をつけられるもの、首振り機能があるもの、消音タイプやタイマー付きなど、選べる種類も多いです。

室内で空気の循環をよくしたいとき、扇風機ももちろん代用できますが、サーキュレーターの方が効率的でおすすめです。

具体的な使い方

では、サーキュレーターを使う場合、どのように取り入れたらいいのでしょうか。

直に風を当てない

観葉植物には、サーキュレーターの風が直に当たらないようにしてあげましょう。強い風が当たることで株が弱ったり、葉の蒸散が活発になりすぎてしまうことで極度の乾燥につながる可能性があります。

サーキュレーターは鉢から離れたところに置くようにします。風が当たってもそよそよと葉が揺れる程度であれば問題はありません。

換気をうまく使う

エアコンの要らない季節は、部屋を効率よく換気して風通しを保ってあげましょう。

サーキュレーターは、後ろの空気を吸い込んで前に押し出します。窓を開けて換気をする際に、部屋の奥から窓の方向に風を流します。部屋の奥の空気を窓の方に送り出し、新鮮な空気が室内に入る流れを助けてくれるため、換気の効果を上げることが出来ます。

外出時は窓を開け放すことは出来ませんが、換気扇と一緒にサーキュレーターをつけたままにしておくと、空気がこもるのを防げます。

夏と冬で置き場所を工夫

暖かい空気は天井付近に、冷たい空気は足元にたまります。

室内の温度差を減らすために、エアコンを使う季節は、置く場所を少し変えるのがおすすめです。

夏場は、エアコンの下に背を向けて置きましょう。風の向きは床と水平かやや下向き。床付近にたまる冷気を押し出し、天井にたまった熱気を攪拌する流れをつくります。

冬場は、エアコンから離れた部屋の奥に置き、上向きに風を当てるようにします。天井にたまった暖かい空気を下まで押し流し、下の方の空気と混ざるように循環させます。

まとめ

植物が自生する環境を再現することはなかなか難しいですが、自然の中で育っているのと同様、風が通る場所を好む植物は多いものです。お部屋の空気に自然な流れをつくり、植物が良く育つ環境を整えてみてください。生長の仕方が少し、変わってくるかもしれません。

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