植物の育て方で頻繁に登場するのが「葉水」。もちろん土への水やりだけでも、植物を育てることは可能です。きれいな葉をきれいなままで保てるように、日々のお手入れに葉水を取り入れてみましょう。
葉水(はみず)とは?
文字通り、“葉に水を与える”ことを指します。観葉植物の葉に、霧吹きを使って水を吹きかける方法が一般的です。大きな葉を持つ種類であれば、浴室のシャワーを活用した方法も有効です。
植物は、根から土中の水分を吸い上げますが、葉でも水を吸収しています。特に、熱帯雨林地域原産の植物は、高温多湿の環境に自生し、葉を使って水分補給をして生息しています。
定番と呼ばれる観葉植物たちは、流通しているほとんどが熱帯植物といっても過言ではありません。葉水で湿度を保ってあげることで自生地の環境に近づけることが出来るため、観葉植物をよりきれいな姿で育てることが出来るようになります。
葉水がもたらす効果
では、具体的に、葉水によってどんなメリットがあるのでしょうか。
乾燥予防
観葉植物は、室内に置かれることが多いです。特にエアコンを使用する夏や冬、空調のきいた室内では、空気が乾燥しやすくなります。空気が乾燥していると肌がかさつきを感じるように、観葉植物の葉も同様に乾きがちになります。特に、葉が小さいものや薄いものは、乾燥によって葉がちぢれてしまうことも。乾燥しすぎてしまった葉は、残念ながら元には戻りません。
霧吹きを使って葉水をすることで、植物の好む空中湿度を保ち、過度な乾燥を防ぐことが出来るのです。
害虫予防
観葉植物につきやすい害虫には、カイガラムシやハダニ、コナジラミなどがいます。いずれも、葉の裏にくっついて養分を吸い取って増えていきます。害虫がつくことで葉の色やつやが奪われ、株を弱らせる原因にもつながります。目の届きにくい葉裏は盲点。気づいたら虫がたくさんついていたということになりかねません。
これらの虫は、乾燥した葉を好みます。日常的に葉水を使い、葉裏までしっかり湿らせておくことで、害虫を退け、きれいな葉を保つことが出来ます。
上手な葉水のやり方
霧吹きの選び方
葉水用に用意したいのが便利な霧吹き。出来れば、細かいミスト状に水を吹きかけられるものを選びましょう。吹きつけたときにむらが出ず、葉の全体に水分が届きやすくなります。
あとは、ご自身が使いやすいかどうかで選んでみましょう。
タンク部分の容量が多いものは、一度にたくさん使うことが出来ますが、重みが出るため負担に感じる方もいらっしゃるかもしれません。水を出す部分も、指をかけて使うトリガー式が一般的ですが、ボタン式も疲れにくくて便利です。
習慣として使う物になるので、お好きなデザインで選んでみるのもおすすめです。
水は、通年常温
葉水に使う水は、室内に置き常温になったものを使うようにしましょう。お湯や、冬場の汲み立ての水など、極度に温度差を感じる水は葉のストレスになるため、使わないようにしてあげましょう。
日なたで育てている植物には、日中の葉水は避けた方が無難です。水分に熱が集まり、葉を傷めてしまう可能性があります。
葉裏への葉水
葉水は、葉の表と裏にまんべんなく吹きかけましょう。裏に水をあげるときは、傷んだり折れたりする可能性があるため、無理に葉をめくらないようにしましょう。鉢を直接手に持つか、高い場所に置いて、裏が見える状態にするとやりやすくなります。
葉についた白い跡はどうする?
観葉植物の葉に、水滴が残ったような白い跡がついていることがあります。これらは、販売当時の薬剤の名残や、日々の水やりのカルキ跡。特に、葉がつややかで厚みがあるもの、葉の寿命が長く落ちにくい観葉植物に見られがちです。下葉や古い葉であれば、切ってしまうのもひとつですが、病気でもない葉を切り落とすのは躊躇しますよね。
市販の葉面洗浄剤を使うと、手間をかけずに葉に残った薬剤やたまった水アカ、汚れを落とすことが出来ます。スプレーの薬剤を吹きつけるだけで、ホコリをよせつけない予防効果も。葉本来のツヤが戻り、見違えるように変化します。住友園芸のリーフクリンがメジャー商品です。ご自宅に1本あると便利ですが、念のため、使える対象の観葉植物かどうか事前に確認するようにしてください。
また、葉水に浄水器の水を使う、定期的に葉の拭き掃除をするなど、日常のお手入れで水アカの蓄積を防ぐことが出来ます。拭き掃除の際は、湿らせたガーゼなど、やわらかい布を使いましょう。
長く飾る観葉植物には、ホコリがたまりがちです。葉をきれいにしておくだけでも、植物は呼吸しやすく、ストレスなく育つことが出来るため、結果色ツヤがよくなります。
まとめ
こまめな葉水は、手間だと感じる方もいらっしゃるかもしれません。鉢のそばや、生活の導線上に霧吹きを置いてみましょう。気づいたときに手に取りやすい場所に置くことで、簡単に習慣付けすることが出来ますよ。ぜひ、お試しください!