緑の宝石・シュロチク(棕櫚竹)の育て方

細長い葉を放射状に広げる植物、シュロチクの育て方をご紹介。和風・エスニック・モダンテイストなど、お部屋の雰囲気を選ばず飾れる万能さで人気のある観葉植物です。観賞価値の高い植物として愛されてきた歴史を持つシュロチクには、どのような魅力があるのでしょうか。

目次

シュロチクの基本情報

シュロチクは、東南アジアの熱帯雨林地域や中国南部原産。名前に「竹」とついていますが、ヤシ科に分類されるヤシの仲間です。シュロチク(棕櫚竹)とは、日本原産のヤシの1種・シュロに葉姿が似ていることに由来した和名です。

シュロチクは、竹のように真っすぐでつるりとした幹に、大きく広げた葉を増やしながら生長します。涼し気な扇状の葉が何枚も重なる様子はとても美しく、その株姿から「緑の宝石」という別名でも知られています。

花言葉は、「思慮深い」「向上心」。繊細で控えめな株姿、寒さや乾燥に強い丈夫さからつけられた言葉だといわれています。

シュロチク(棕櫚竹)とカンノンチク(観音竹)

葉の形状がとてもよく似ていて、混在されやすいのがシュロチクとカンノンチク。いずれも、ヤシ科カンノンチク属(ラテン語でラピス属)に分類される植物であり、江戸時代から鑑賞用として好まれていた「古典園芸植物」という共通点があります。

違いは、葉の特徴で見分けられます。シュロチクは切れ込みが多く入った扇状で、やわらかく繊細な雰囲気。カンノンチクは切れ込みが少なく、葉の幅が広いため、力強い印象を受ける葉です。

どちらも丈夫な性質をしているため、育てやすい観葉植物として現在でも広く知られています。

前段で登場したシュロは、九州南部原産のヤシ科の植物。街路樹代わりやシンボルツリーとして植えられることも多い木です。シュロチクと葉がよく似ていますが、シュロは幹がふさふさした厚い繊維質で覆われているため、違いは一目でわかります。

シュロチクの育て方

特徴は耐寒性

シュロチクの大きな特徴として、寒さに強いことが挙げられます。気温0℃で越冬が可能なため、霜が降りない地域であれば屋外でも育てられます。やや大きめの株を選んで、玄関やバルコニーに置いて育てるのもおすすめです。地植えする場合は、明るい半日陰(1日に数時間程度日の差す場所)を選ぶようにしてください。

日当たりと環境

明るい室内か、戸外の半日陰でよく育ちます。強すぎる日差しは苦手なので、真夏の直射日光には当てないようにしましょう。強い日光は葉のつやをなくし、変色や過乾燥を招く要因になります。室内に置く場合は、ブラインドやシェード、薄手のカーテンで日差しを調整できる場所であればベストです。

耐陰性はありますが、まったく光の入らない場所では株が間延びしやすくなります。真夏以外は、積極的に日光浴させてあげるとより丈夫に育ってくれます。

戸外で育てる場合は、強風に注意です。シュロチクの葉は、強い風に当たりつづけると割けてしまいます。風で枯れることはありませんが、見栄えに影響が出るため、強い風が吹きつづける場所は避けるようにしましょう。

水やり

水を与えるときは、鉢底から水が染みだすまでたっぷりとあげます。次の水やりは、鉢土が乾くまであげなくて大丈夫です。受け皿に水がたまったら必ず捨てましょう。水やりは緩急を心がけ、「あげるときはあげる」「乾くまで待つ」をくりかえすイメージを持つとわかりやすいかもしれません。

季節によって、土の乾き具合は異なります。冬場は株の生長がゆるやかになり、多くの水分を必要としないため、土も乾きにくくなります。多すぎる水分は根腐れにつながるため、水のあげ過ぎには注意しましょう。

葉の色つやを保つため、霧吹きを使ったこまめな葉水を習慣にすることで、乾燥と害虫を防ぐことが出来ます。

普段のお手入れ

シュロチクを含め、葉の細い観葉植物は、葉先が傷みやすい傾向にあります。直射日光の当たり過ぎや水不足による乾燥の他、葉先への刺激に注意です。壁や家具とくりかえし擦れることによって、葉先だけが茶色く傷むため、ゆとりのある置き場所を心がけてみましょう。

葉先が傷んだら復活しないため、変色した部分だけ切り落とします。葉の形に沿って切り取ることで目立ちにくくなります。

シュロチクの植え替え

2~3年に1度、植え替えをすることで生長を助け、のびのび育ててあげることが出来ます。長く育てた鉢の中では根がつまり、栄養や水分が吸収しづらくなります。また、土は消耗品です。古い土は栄養分が吸い上げられ、水もちも悪くなります。植え替えついでに土を新しくして、株全体をリフレッシュさせてあげましょう。植え替えは、生長期の5~6月がおすすめです。

ひとまわり大きな鉢に植え替えてさらに大きく育てるのもいいですし、鉢の大きさを変えたくなければ、根を大胆に切り戻して土を入れ替えるだけでも充分です。土は、市販の観葉植物用の培養土があると便利です。通気性を確保するため、かならず鉢底石は敷くようにしてください。

大型の鉢の場合、重量があり、植え替えがしづらくなりますので、1人で無理をせず、2人以上で作業することをおすすめします。

まとめ

シュロチクを育てる際、鉢にもこだわってみるのもおすすめです。

染付の鉢で和風に。シンプルな陶器の鉢でスタイリッシュに。プラスチック製の鉢の場合は、天然素材の鉢カバーを使うと、軽さを保ったままイメージを変えることも可能です。

カスタマイズ次第でどんなお部屋にもマッチするシュロチク、ぜひ育ててみてください!

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