切り花として人気の高いガーベラは、鉢植えでも育てることが出来ます。一般的な一重咲き以外にも、変わった咲き方や色を持つ仲間がたくさんあるガーベラ。お好きな色のガーベラを選んで、ご自宅で育ててみてはいかがでしょうか。
ガーベラの基本情報
キク科ガーベラ属に分類されるガーベラは、南アフリカ原産の多年草です。切り花として通年手に入りやすい花ですが、開花は春と秋が最盛期です。
原種とされるガーベラは約40種、それらをかけ合わせて生まれた園芸品種は500以上にのぼります。現在も品種改良が進み、新しい種類がつくられ続けているのです。注目度の高さは、ガーベラの花が世界で広く愛されている証ともいえそうです。
花言葉は、「希望」「常に前進」「美しさ」。
花の持つ明るいイメージからつけられた花言葉だといわれています。
咲き方のバリエーション
種類豊富なガーベラは、咲き方もいろいろ。色と咲き方の組み合わせによって、印象がまるで違う面白さがあります。
一重咲き
最も一般的な咲き方のガーベラです。単色以外に、中心から外側に向かって、グラデーション状に色が変わるものもあります。
八重咲き
花びらの数が多く、中心までぎっしりとつまって咲く種類です。花びらが集中して、花芯がまったく見えないものもあります。一重咲と八重咲の中間・半八重咲きの種類もあります。
スパイダー咲き
従来のガーベラより、花びらが細いのが特徴です。針状の花びらが無数について咲き、花火を連想させる花姿をしています。
カール咲き
名前の通り、花びらがうねるように波打って広がる特徴的な咲き方です。ねじれたように開く花びらが重なり、角度によって表情が変わる楽しさがあります。
変わり咲き
上記の特徴に当てはまらない、珍しい個性派品種です。花びらがつまってボール状になったものや、花芯の大きなものなど、一見ガーベラに見えない種類もたくさんあります。
育て方のポイント
ガーベラは、品種によって性質の違いがありますが、基本的に鉢植え・地植えのどちらでも育てられる植物です。ただ、安全に冬越しするために、移動させやすい鉢植えで育てると安心です。
よい株の選び方
葉の緑色が濃いもの、茎が太くまっすぐで、葉が肉厚なものが良い株です。選ぶ際は、根元や葉の裏もしっかりチェックし、病気の気配や害虫がついていないことを確認しましょう。
日当たりと環境
ガーベラは、日当たりと風通しが良く、温暖な環境を好みます。半日程度は日光の当たる明るい場所で育てるようにしましょう。日当たりが悪い場所で育てると、葉は茂りますが、花がつきにくくなります。
生育に適した気温10~20℃くらいです。西日や雨の当たらない場所であれば、ベランダ栽培も可能です。気温の低くなる11~4月上旬は室内で育ててあげてください。
日光を好みますが、真夏の直射日光は強すぎるため避けましょう。30℃を超えると生育が緩やかになりますが、夏が終わるとまた生長を始めます。
鉢と用土
水はけのいい土でよく育ちます。市販の花用培養土があると便利です。
生長の早いガーベラは、根がよく張ります。根詰まりを避けるため、5号以上の大きめの鉢で育てるようにしましょう。また、水はけがよく、湿気が溜まりづらい素焼き鉢がおすすめです。
水やり
ガーベラは過湿が苦手です。水やりは、土が乾いてからたっぷりとあげるようにしましょう。常に湿っていると根腐れしやすくなりますが、過度な乾燥は生長の妨げになり、花つきにも影響します。葉をめくり、土の表面に触れてみて、指先で湿り気を感じなくなったら水をあげるようにしましょう。
日常のお手入れ
葉がたくさん茂って重なり合うようになったら、風通しをよくするため葉を間引きましょう。葉が多すぎると株が蒸れ、黄色く変色したり枯れたりするようになります。花も同様です。終わった花は、茎の根元から切り落とすようにしましょう。花がらと古い葉をこまめに摘むことで、害虫を防ぐことができるだけでなく、翌年以降も花をたくさん楽しむことが出来ます。
植え替え
根詰まりを防ぐため、年1回程度植え替えをするのが理想的です。春か秋、花の咲かない時期に植え替えをしましょう。株を抜き、根を整理して、新しい土と鉢に植え替えます。鉢は一回り大きなものをえらびましょう。抜いた株は根元の土を優しく払い、伸びすぎた根を切り落とします。太い根は傷めないように注意しましょう。株元に新芽がある場合、土に埋まらない高さで植え替えるようにしてください。
ガーベラの日
定番人気のガーベラには、記念日まであります。毎年4/18はガーベラの日。品種改良が成功し、日本で初めて新しいガーベラが生まれた日が由来です。4月はガーベラの最盛期にかかっていることもあり、お花屋さんにはたくさんのガーベラが並びます。
まとめ
鉢植えで咲いたガーベラは、1週間以上きれいに楽しむことが出来ます。たくさん咲いてくれた場合は、花瓶に生けて1輪挿しにしてみるのもいいですね。切り花ではあまり見る機会のないガーベラの葉も、大きくてきれいな形をしています。定番の花だからこそ、鉢植えで育てることで新たな発見があるかもしれません。