植木鉢の定番「素焼き鉢」の特徴とは

植木鉢の素材には、いろんな種類があります。お店で売られている観葉植物は、プラスチック製の鉢が使われていることが主流ですが、「植木鉢」と聞いて思い浮かべやすいのは、茶色い素焼き鉢ではないでしょうか。定番には定番になるだけの理由があります。見た目だけでない、素焼き鉢の特徴について見ていきましょう。

目次

素焼き鉢とは?

文字通り、シンプルに焼いてつくられたのが素焼き鉢です。焼き物は、釉薬(ゆうやく)をかけて焼き、ツヤや色をデザインしてつくられるものが多いですが、素焼きはこれをかけずに焼いたものです。

素焼き鉢の原料は粘土質の土。形成された鉢は、800度前後の高温で焼成してつくられています。土のあたたかみと素材感が生きた、ナチュラルテイストな仕上がりの鉢です。

素焼き鉢とテラコッタ

テラコッタ(terracotta)は、イタリア語で「素焼き」という意味の言葉。日本でいう素焼き鉢と、原料は同じく粘土です。イタリア製は原料の土の赤みが強いため、やや赤い仕上がりになっているのが特徴です。

素焼き鉢をテラコッタと呼ぶこともあり、厳密に区別はされていないようです。装飾のないシンプルな鉢を「素焼き鉢」、洋風のおしゃれなデザインのものを総称して「テラコッタ」と呼び分けることもあります。

余談ですが、同じ焼き物で「陶器鉢」という鉢があります。これは、素焼き鉢に釉薬をかけてつくられたもの。日本独自のものだと、瀬戸焼・信楽焼などが知られています。窯元によって異なりますが、色使いやモチーフにこだわったデザイン性の高いものが多いのが特徴。素焼き鉢に比べて値は張りますが、観葉植物や多肉植物と合わせると、和と洋が混じったモダンなインテリアアイテムになります。

素焼き鉢のメリット

粘土をベースに作られた素焼き鉢には、ある特徴があります。それは“多孔質”であるということ。素焼き鉢には、目に見えない穴が無数に空いています。

多孔質な鉢は、大きく分けて2つのメリットがあります。

  • 通気性がいい
  • 排水性に優れている

鉢表面に無数の穴があるというのは、鉢自身が呼吸しているようなもの。空気や水分が通りぬけやすい性質だということです。余分な水分を自然に排出してくれるため、水はけのいい土を好む観葉植物に向いています。

植物は、葉だけでなく根でも呼吸するため、通気性の良さはそのまま生長にも影響します。素焼き鉢は、風を通しつつ内部にたまった熱を逃がし、過湿が防止できるため、根腐れしにくい環境で植物を育てることが出来るのです。

また、素材以外のメリットとしては、以下が挙げられます。

  • おしゃれなデザインが多い
  • サイズ展開が豊富
  • 風水的に◎(自然由来の素材であること)

素焼き鉢は、ブラウンやベージュなど、土の色合いを活かしたビジュアルが特徴ですが、さらにペイントを施したものも市販されています。お部屋のイメージに合わせた鉢を選びやすいバリエーションの豊富さも人気の理由のひとつとなっています。

素焼き鉢のデメリット

メリットがあれば、デメリットもあります。

  • 重い
  • 割れやすい

素材の特性上、プラスチック製の植木鉢に比べると、粘土が原料である素焼き鉢は持ち重りします。小さな鉢であれば影響はありませんが、鉢が大きくなるほど重さが出てきます。大きな素焼き鉢を使う場合、あらかじめキャスター付の花台に乗せておくか、移動させなくていい場所に置いて育てるのが安心です。

また、焼き物は、落としたりぶつけたりすると割れてしまいます。飾る場所に気をつけるようにしましょう。

屋外で素焼き鉢を使う場合、過乾燥や多湿に注意が必要です。真夏は高い気温に加えて、鉢の特性で水分が蒸発しやすくなるため、水切れに注意して育てるようにしてください。長雨が続く時期は、雨の当たらない場所に逃がして育てることで、カビがつくのを防ぐことが出来ます。

リメイクでオリジナルの植木鉢

シンプルな素焼き鉢は、100円ショップでも購入できます。お好みの色やデザインで、オリジナルの植木鉢をつくってみるのはいかがでしょう。さらっとした質感の素焼きの表面は、色をつけやすく、加工がしやすいのでDIY向きです。使う材料も100円ショップで揃えられるので、気軽に挑戦してみてはいかがでしょうか。

ペイント

アクリル絵の具や水溶性のペンキで、カラーリングをしてみましょう。1色塗るだけでもきれいに仕上がります。

応用編として、乾かしたあとにヤスリをかけてアンティーク風の雰囲気に仕上げたり、ステンシルでデザインをつけたり、ステッカーを貼ったりして遊んでみるのも楽しいです。

デコパージュ

可愛い紙ナプキンの絵柄をそのまま写し取れるデコパージュ。好きな紙ナプキンと専用液、刷毛があれば、簡単に植木鉢をデコレーション出来ます。凹凸の少ない素焼き鉢は、デコパージュ向きです。専用液を鉢表面に塗り、鉢に合わせて切った紙ナプキンを貼るだけ。YouTubeでも、上手なデコパージュの作り方やアレンジ方法が多数紹介されています。

まとめ

素焼き鉢は、ただおしゃれなだけでなく、観葉植物を育てやすい機能性も備わっています。購入の際は、ネット販売が便利です。重さがあるので、届けてもらえるのは助かりますし、さまざまなデザインがあるので、見ているだけでも楽しいですよ。

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