人気ハーブのひとつ、レモングラス。名前の通り、レモンのようなフレッシュな香りが特徴です。アロマテラピーやハーブティー、お料理にと、幅広く使えるレモングラスを、お家で育ててみませんか?
レモングラスの基本情報
レモングラスは、インドや熱帯アジア原産のイネ科の多年草です。細長い葉を上にまっすぐ伸ばし、太い茎にススキのように葉を茂らせて生長します。高温多湿に強く、病害虫にも負けない丈夫な性質を持っています。
伝統医学・アーユルヴェーダでも古くから利用され、インドでは数千年前から栽培されていたという歴史を持ちます。消化促進・血行促進・抗酸化作用・抗菌効果など、得られる効能もさまざまです。
シトラールという共通の香り成分が含まれているため、レモンとレモングラスの香りは似ています。
花言葉は「爽快」。わかりやすくてすっきりした、レモングラスそのもののような花言葉です。自生地では、赤みがかった花をつけますが、環境が大きく異なるせいか、日本で開花は見られにくいようです。
レモングラスの育て方
苗から育てる
レモングラスは、苗から育てるのが一般的です。苗は4~5月頃から出始めます。葉の発色がいいもの、株元がしまっていてぐらつかないものを選ぶようにしましょう。
植え付け
5~7月頃の気候が安定している時期に植えて根付かせましょう。複数の株を植える場合は、株と株のあいだを20cm程開けて植え付けられるとベストです。
夏のあいだに大きく育てると、冬を越しやすくなります。霜と寒さには弱いため、冬場は室内へ移してあげる必要があります。鉢植えでも地植えでも育てやすい植物ですが、あらかじめプランターに植え、ベランダで育てると手間が少なくてすみます。
土は、市販のハーブ用の培養土でよく育ちます。水はけのいい環境で育てるようにしましょう。
日当たりと環境
風通しと日当たりのいい場所を好みます。葉が茂ると蒸れやすくなるため、通気性の良い環境を心がけます。葉が倒れないよう、強い風が当たる場所は避けて育てるようにしましょう。
暑さには強いですが、寒さには弱いです。冬越しに必要な気温は最低5℃。冬場は室内に移して育てるようにしましょう。
水やり
土の表面が乾いたら、たっぷりとあげるようにしましょう。水分が蒸発しやすい真夏は、水切れに注意です。水が不足すると、葉が垂れやすく、株が痩せがちになります。水やりは、鉢全体に行きわたり、底から染み出るくらいの量をあげ、次の水やりはしっかりと土が乾くまでタイミングを待ちましょう。
増やし方
レモングラスは株分けで増やせます。適期は真夏を除いた4~9月頃。生長した株を土から取り出し、優しく土を払います。大きく育った株はしっかり根が張っているため、分けるのに力が要る場合がありますが、割るようにして思い切って分けて大丈夫です。細かく分けていき、株1つあたり、5本程の根がついた株になったら植え付けましょう。植えた後はたっぷりと水をあげて株分け完了です。
収穫時の注意
一株あたりの葉が増え、15枚前後になったら収穫出来ます。葉を取りすぎると増えなくなってしまうため、収穫は株の1/3程度にとどめるようにします。新芽は内側から伸びるため、葉は外側から収穫しましょう。葉の根元からハサミで丁寧に切り落とします。
もし、夏場に増えすぎてしまったら、根元を15cmほど残して切り取っても大丈夫です。レモングラスの葉は、両脇が鋭いため、手を切らないように注意して扱いましょう。
葉の保存方法
収穫しすぎた葉は、乾燥させて保存しましょう。葉をよく洗い、水気を切って束ね、逆さにつって乾燥させます。充分乾燥させた後は、乾燥材と一緒に密閉容器に入れておくと、長期保存が出来ます。
活用方法
レモングラスには、どのような用途があるのでしょう。具体的な使い方がわかると、使ってみたい用途が出てきます。精油や乾燥レモングラスも市販されていますが、せっかくなら生で使ってみたいですよね。
ハーブティー
レモングラスは、爽やかな香りでくせがなく、飲みやすいハーブティーになります。胃もたれにも効果があるため、食後のお茶におすすめです。葉にお湯を注ぎ、フレッシュなハーブティーでいただいてみましょう。緑茶とブレンドして淹れるのも美味しいです。
入浴剤
葉を鍋で煮出した液を湯舟に入れて、ハーブバスとして使いましょう。レモングラスの香りには、心をやわらげ、疲れを取ってリフレッシュさせてくれる効果があります。
お料理に使う
タイ料理のトムヤムクンの風味づけとして使われているのがレモングラスです。入れることで、魚介類やお肉の生臭さを消してくれるので、さまざまなメイン料理にも使えます。摘み立てを少し加えるだけで風味が増し、いつもの食事がぐっとグレードアップします。
まとめ
レモングラスは、使い勝手のいいハーブです。上手に育てて、たっぷりと恩恵にあずかりましょう。自宅で育てたハーブを取り入れた生活は、ささやかな達成感が味わえます。愛着がある分、効き目も増すのかもしれません。