クリスマスが過ぎると、いよいよお正月ムード1色になりますね。仕事納めや大掃除をしながら、お正月の支度をなさる方も多いのではないでしょうか。なじみのあるお正月飾りだけでなく、新しく迎える年への期待や願いを込めて、新鮮な植物を飾ってみませんか?日本のお正月らしさを感じさせる植物も多く出回る季節です。それらの植物が長く愛されてきたのにも、ちゃんと理由があるんです。
日本人にとっての『お正月』
日本らしさを感じる年間行事のひとつ・お正月。暮れや年明けは、門松や鏡餅、しめ飾りなど、伝統的なお正月飾りをあちこちで見かけます。
お正月とは、新年に現れて福を授けてくれる『歳神様』をお迎えする日だとされています。ルーツは古事記にまでさかのぼり、豊作の神様・ご先祖様など、さまざまな信仰が合わさって『歳神様』が祀られるようになったといわれています。お正月飾り、お年玉などは、いずれも歳神様にちなんだ代表的な風習です。
余談ですが、お正月飾りを出すのに最も良いとされているのは、12/28。29日=二重苦にとして縁起が悪いため、避ける傾向にあるようです。31日に飾るのは「一夜飾り」と呼ばれ、歳神様への失礼にあたるといわれています。30日は旧暦の大みそかにあたるため、一夜飾りと見なされることも。
飾ったあとは、松の内と呼ばれる1/7を過ぎてから、神社のお焚き上げなどに出すのがおすすめです。
お正月に飾りたい!縁起のいい植物
ナンテン(南天)
赤い粒状の実をつけるナンテン。冬を飾る枝ものとして、冬場のフラワーショップによく並びます。
ナンテンは、「難を転じる=福となる」と、洒落を効かせた植物として古くから愛されてきた植物のひとつ。縁起が良いだけでなく、つぶつぶの赤い実も可愛らしくて華やかです。
ナンテン同様、冬に赤い彩りを添える植物として、センリョウ(千両)も縁起物と呼ばれています。ナンテンもセンリョウも、きれいな赤い実をたくさんつけます。ナンテンはブドウのように下向きに実をつけ、センリョウは上向きにつけます。
松竹梅
縁起の良さで有名なのは、松・竹・梅のセットではないでしょうか。「松」を最上位とした階級呼称で使われることが多いですが、元々は、寒さが厳しい中でも生長する強さを持っていることから、縁起物として扱われていたことに由来します。特に松と竹は、お正月飾りの主役を張る、大切な立役者でもあります。
松竹梅の意味
- 松 …年間を通じて緑があせないことから、「不老長寿」「永遠の命」の象徴
- 竹 …常緑、嵐でも折れない丈夫さ、真っすぐ成長する姿から「誠実な心」「強い志」の象徴
- 梅 …早春、他の花よりに先駆けて咲くことにちなみ、「出世」「開運」の象徴
ハボタン(葉牡丹)
一見、葉野菜のようにも見えるハボタン。かつて江戸時代に、ボタンの花の代わりに正月花として飾られていたことから、お正月に飾る植物の定番入りをしたといわれています。キャベツに似た葉を鑑賞するハボタンですが、シックなブラック系や鮮やかなバラ色など、近年の品種改良によって広いカラーバリエーションでも楽しまれています。寒さに強いため、冬場の寄せ植えにもぴったり。生花にはないボリューム感が味わえるのも魅力です。
縁起がいいといわれる所以には、「祝福」「利益」の花言葉も関連しているようです。
オモト(万年青)
日本原産の観葉植物・オモト。常緑で丈夫な葉を持ち、生命力が豊かなことから、開運のシンボルとしても知られている植物です。江戸時代から愛される古典園芸植物であり、葉が見せるバリエーションの数々は、「芸」と呼ばれ、細やかな特徴の現れ方や、随所にちりばめられた風雅さが人気です。絵柄をあしらったオモト用の鉢が一般的でしたが、無地のブラックやホワイトなど、シックな陶器鉢にもよく合います。
「長寿」 「長命」の花言葉を持っているため、縁起のいい贈り物としても好まれています。
キク
日本人になじみのある花のひとつ、キク。仏花や和食に添えられる食用菊など、日常的に目にすることが多い花です。近年は、日本らしい慎ましさを持つ「和菊」以外に、逆輸入によって広まった「洋菊」が人気です。ダリアのように大ぶりで華やかな品種は、フラワーアレンジメントに多用されることもあり、キクの持つ従来のイメージが覆される華やかさを持っています。和洋を織り交ぜたモダンな雰囲気が出せるため、お正月飾りにもぴったりです。
キク全般の花言葉は、「高貴」「高潔」「高尚」。背筋を伸ばしたくなる言葉が並ぶキクは、新しい年へ向けて心を整え、背中を押してくれそうな心強さがあります。
まとめ
純和風のお正月飾りも素敵ですが、華やかな花をたくさん使ったお正月用のフラワーアレンジもおすすめです。伝統にしばられず、好きな色と植物の組み合わせで楽しめる気楽さもメリットのひとつ。
きれいにお掃除したあとは、フレッシュなお花や植物を飾って、良い年を迎える準備をしてみてはいかがでしょうか。