水中の観葉植物・ウォーターマッシュルームの育て方

アクアリウムやビオトープなど、水中生物を育てるときに必要なのが水草です。ウォーターマッシュルームは、水中でのびのび生長する水生植物の一種。明るいグリーンの葉は丸くて愛嬌もあり、観葉植物として単体で育てる方も増えてきています。

目次

ウォーターマッシュルームの基本情報

ウォーターマッシュルームは、ウコギ科チドメグサ属に分類される水生植物です。原産地は北アメリカ。湿地帯や湖、河川など、主に水辺に自生しています。葉の形は丸く、縁には浅く切れ込みが入るのが特徴です。

名前は葉の形に由来しています。和名ではウチワゼニクサ。円形の葉がコインに見えることから、ウォーターコインとも呼ばれています。みずみずしい丸い葉をいくつもつける様子は、涼と愛らしさを感じさせてくれます。

水中でも陸地でも育つ性質がありますが、土に植えた状態だと葉が大きくなり、水中だと小ぶりの葉に育ちます。

よく育ったウォーターマッシュルームは、6~10月頃に花をつけます。伸ばした茎の先に、2mm程のごく小さな白い花が集まるようにして咲く慎ましい花です。

花言葉は「希望」。新芽が次々と芽生える様にちなんだ花言葉だといわれています。

水と相性のいい植物

近年、アクアリウムやビオトープなど、水中でつくられる生物空間の世界が注目されています。水槽を使ってメダカや熱帯魚を水草とともに育てるだけで、限られた空間の中に生態圏をつくることが出来ます。組み合わせ無限、アレンジも自分次第なので非常に奥が深く、インテリア性も高いため、その世界観に魅せられてしまう方も多いようです。

水中の環境を整えるのに欠かせないのが植物です。植物は水をきれいにし、酸素を増やす役割があります。中でもウォーターマッシュルームは、比較的耐寒性が高く、環境にも馴染みやすいため、水中で育てやすい植物として人気です。

ウォーターマッシュルームの育て方

環境

一般的な観葉植物と異なり、ウォーターマッシュルームは根が湿った状態を好みます。気温の高い季節は日差しの当たる場所、高温になる場所を避けて育てるようにしましょう。水温が上がり過ぎることで、葉が溶けて外観を損ねたり、株全体が傷んだりする可能性があるため気をつけましょう。

真夏を避けた他の季節は、半日陰など、数時間は日に当たる場所で育ててあげるようにします。適度に日の光を浴びることで、葉の数が増えます。

水槽などで育てる場合、生育に適した水温の目安は16~30℃程です。

水耕栽培で育てる

最も手軽なのは、水だけで育てる水耕栽培です。根をよく洗い、ガラスの器などに水を入れ、挿しておくだけでよく育ちます。バランスが気になる場合は、ハイドロカルチャー用のハイドロボールで根元を支えてあげるようにしましょう。

ボトルアクアリウム風に、細長いガラスのウォーターベースに丸ごと入れるのもおすすめです。株の大きさに合った器の中に沈めることで、根から葉まで生長を楽しむことが出来ます。

いずれも水が濁ってきたら、新しい水に入れ替えるようにしましょう。

鉢植えで育てる

ウォーターマッシュルームの鉢植えは、鉢ごと水に浸かった状態で育てます。植え付けるのは市販の培養土で充分育ちますが、水の濁りが気になる場合はミズゴケを根に巻いて育てましょう。ミズゴケは水で戻し、根を包み込むようにして丸め、鉢に収めます。根はよく洗って土を落としておきます。

鉢植えより一回り大きな器を用意します。水の減り方がわかりやすいよう、透明な容器を使うのがおすすめです。鉢植えを容器に入れ、根元が水に浸かった状態になるよう水位を調整します。水が減ったら足し、水切れしないように気をつけて育てていきます。

アクアリウムに入れて育てる

メダカなど、小魚と一緒に育てる場合は、市販の水草用の土を使うようにしましょう。観葉植物用の土は、肥料成分が水中に溶け出すことで、生物の健康を損なう可能性があります。

ビオトープなど、スイレン鉢で育てる場合、田んぼ用の土でもよく育ちます。

植え付け・株分け

大きくなった株の植え替えは、2~3年に1度くらいの目安で行うようにしましょう。時期は、生育期の4~9月頃が適しています。根の整理がてら、植え付けと株分けは同時に行うのがおすすめです。

ウォーターマッシュルームは地下茎を伸ばして生長します。根の様子を見て、適度に切り分けて株を分けましょう。基本的にハサミはどこに入れても大丈夫です。切り分けた株をそれぞれ植え付けて完了です。

冬越し

地上部に葉が出た状態のウォーターマッシュルームは、冬場に葉を落とすことがあります。冬越しの体力温存のための働きで、枯れたわけではありません。新芽が出る次の春まで、そのまま待ってあげてください。

まとめ

ウォーターマッシュルームは、葉を楽しむ観葉植物として注目が集まっている植物です。水に挿す容器を替えてみるだけで、いろんな飾り方が出来ます。水槽よりも省スペースで楽しめるボトルアクアリウムに挑戦してみるのもおすすめですよ。

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