アグラオネマ・ピクタムの種類

不思議な模様が葉に描かれる観葉植物、アグラオネマ・ピクタム。多彩な種類があるだけでなく、育て方によって斑(ふ)の入り方や色合いが変わる、面白い植物です。数あるアグラオネマの中でも特に注目度の高い、アグラオネマ・ピクタムの種類についてご紹介します。

目次

基本情報

アグラオネマは、サトイモ科リョクチク属(アグラオネマ属)に分類される多年草熱帯植物です。東南アジア、中国南部の熱帯雨林地域に多く自生しています。日陰に生息し、湿った土地で育つため、耐暑性・耐陰性が強く、空中湿度の高い環境を好みます。反対に、強い日差しは苦手で、乾燥にはやや弱い特徴があります。

アグラオネマの持つ大きな特徴は、葉に入る斑(ふ)です。葉のグリーンをベースに、さまざまな模様を描くように斑が入ります。葉脈をなぞるように斑が入るものや、葉をふちどるように色が入るもの、グラデーション状に色が変わるもの。カラーも、赤やピンクなど鮮やかな色が混ざる品種もあり、斑だけでも多数のバリエーションがあります。

世界中で注目されるアグラオネマは、別名『幸せを招くタイの宝石』とも呼ばれています。

アグラオネマ全般に共通する花言葉は、「青春の輝き」「スマート」です。

アグラオネマ・ピクタムとは

「アグラオネマ」は、サトイモ科アグラオネマ属の総称です。

ピクタム=彩色を意味する言葉で、アグラオネマ・ピクタムは、アグラオネマに含まれる1種を指します。

ピクタムの特徴は、アート風のカモフラージュ柄の葉。広い葉の上には、濃いグリーン~白がかった薄緑がモザイク状に並び、点描でえがかれたような人工的な模様が浮かびあがります。

一般的に、スマトラ島に自生する固有種を指すことが多いようです。ピクタムの仲間は、採取された場所や、斑の入る特徴ごとに名前が付けられていることも特徴です。

アグラオネマ・ピクタムの種類

生長するにしたがって、斑が増え、葉の印象が変化していくのがアグラオネマ・ピクタムです。

入る斑の色数によって、呼び名も変わります。

  • 2色 …バイカラー
  • 3色 …トリカラー
  • 4色以上 …マルチカラー

なかでも、とくに人気が高いのがトリカラーだといわれています。バイカラーに比べ、カモフラージュ柄がはっきりと際立つものが多い上、産地によっても微妙に色合いが異なります。主にネット通販で購入できますが、流通量は多くないため、オークション等の取引で高値売買されることも珍しくありません。

今回はトリカラーの種類をご紹介します。

元祖

トリカラーは、2000年くらいに園芸用として日本で流通していた品種です。トリカラーの中でも、彩度が控えめで薄い色合いをしている特徴があります。出回り始めた当初にくらべ、現在はさまざまな株が海外から流入してきているので、区別するために現存株を“元祖”と呼んでいるようです。

アンダマン(A. pictum ‘tricolor’ Andaman)

トリカラーの中で、鮮やかさで群を抜いているのがアンダマンです。葉の上には濃いグリーン、薄いグリーン、銀白色がバランスよく散り、美しいカモフラージュ柄を描かれいるものが多いです。色合いと模様の美しさから最も人気の高い種類だといわれています。

採取場所は、ベンガル湾に位置するアンダマン諸島。なかでも、アンダマン諸島ポートブレア産のものが特に美しいといわれ、いちばん高値で取引される品種となっています。

ニルヴァーシュ( A. pictum “type NIRVASH” from Pulau Nias)

カモフラージュ柄の中でも、ホワイトが強いのがニルヴァーシュです。葉の中心にある主脈に沿って白い色が集中していることが特徴です。葉は他のトリカラーと比べ、やや短く丸みのある形をしています。

自生地は開発によってなくなっており、残念ながら新しい株が採取されることはありません。現在流通している株は、親株から増やした株のみだということです。

エウレカ(A. pictum ‘tricolor’ EUREKA または type EUREKA)

葉が細長く、シャープな印象を与えるエウレカ。インドネシアのニアス島で採取される品種です。栽培家が多いこともあり、ネットオークションでも頻繁に出品されているため、比較的入手しやすい種類だといわれています。

アグラオネマ・ピクタムは上級者向き?

希少性の高いアグラオネマ・ピクタムは、育てるのがやや難しいといわれています。理由のひとつは気温管理。特に、冬越しがポイントになってきます。

アグラオネマは全般、元々寒さに弱い性質があります。プラス、斑入りの植物は、グリーン1色で構成させている観葉植物に比べるとやや弱い性質を持っています。

アグラオネマ・ピクタムの生育に適した気温は25℃前後。自宅で、冬場にこの環境をつくりつづけるのはやや厳しいかもしれません。置き場所は、冷え込みの伝わりやすい窓際は避け、あたたかい空気の集まる部屋の中央部分がおすすめです。鉢をプチプチの緩衝材や新聞紙・段ボールでくるみ、保温してあげるようにしましょう。

まとめ

アグラオネマ・ピクタムの葉は、自然界がつくりだした、天然のカモフラージュ柄。葉が生長するにしたがって、斑が変化していくのもとても不思議ですよね。

数は多くなくても、流通はしています。もし購入が出来たら、アグラオネマ・ピクタムの性質と自生地の再現を心がけて育ててみてください。環境が合えば、しっかりと大きく育ってくれますよ。

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