多年草?多肉植物?カランコエの育て方

小さな花が鉢いっぱいにあふれて咲く、カランコエ。丈夫な性質で手間もかからないため、とても育てやすいといわれる植物のひとつ。カランコエの鮮やかな花色は、空間を照らすような明るい雰囲気を持っています。花の咲く観葉植物を育ててみたい方、初心者の方に、ぜひおすすめしたい植物です。

目次

基本情報

カランコエは、ベンケイソウ科カランコエ属(リュウキュウベンケイ属)に分類される観葉植物です。カランコエ属の植物の原産地は、アフリカ、アラビア半島、東南アジア。

原産地中心に100種ほどの原種が分布しているカランコエは、種類が豊富なことも魅力です。大きく分類すると2種類。花を楽しむ多年草と、葉を楽しむ多肉植物とに分かれます。

多年草カランコエは、星に似た小さな花がいっせいに開き、こぼれ落ちそうになって咲く様子が印象的。園芸品種では、一重咲きや八重咲き、細長いベル状に咲くものなど、花姿もさまざまです。

開花時期は、品種によって異なりますが、10~6月頃。花色はピンク、白、黄、オレンジなどです。鉢は通年流通していますが、秋~冬にかけて出回るものは、より長く花を楽しめるといわれています。

丈夫な性質で枯れにくく、花もつきやすいことに由来して、ベニベンケイ(紅弁慶)という和名がつけられています。花言葉は、「幸福を告げる」「おおらかな心」です。

カランコエは『短日性』

日の長さが短くなると、花芽を付けるのが短日性植物です。日照時間の短い寒い季節に花期を迎えるカランコエは、そのひとつです。夜に照明が当たる場所では、日の長さをうまく察知出来ず、花が咲きにくくなります。

室内で育てる際、花を咲かせるために、1ヶ月ほどの短日処理が必要となります。毎日、夕方17時頃~朝8時頃まで、明かりの入らない場所に移すか、段ボールをかぶせて明かりを遮るようにしましょう。

カランコエの開花は早くて10月。花期前の8~9月頃は、直射日光を避けた屋外でも育てられます。夜、街灯が当たらない場所であれば、ベランダなどで育てると短日処理が不要です。

カランコエ(多年草)の育て方

日当たりと環境

乾燥したあたたかい環境を好み、多湿が苦手な性質です。

春~秋は、屋外で育てることが出来ます。日当たりがよく、雨の当たらない場所を選びましょう。強い直射日光に当たると、葉が焼けてしまうため、真夏は直射日光を避けた明るい日陰で育てるようにします。また、蒸れないように、梅雨時や長雨に当たらないように注意し、風通し確保のために、茂ったら茎を剪定して間引きましょう。

10℃を下回ると生長が鈍くなり、花付きが悪くなります。気温が一桁台になる前に、室内へ移してあげるようにしましょう。

用土

水はけのいい土でよく育ちます。観葉植物用の培養土か、多肉植物・サボテン専用の培養土を使うと簡単です。

水やり

カランコエの水やりの基本は、表土が乾いたことを確認してから、たっぷりの水をあげるようにしましょう。葉や花に水がかかると傷みやすいため、水やりは株の根元にあげるようにします。水やりは、土が乾いたことを確認してからたっぷりあげるようにしましょう。土が「乾く」「湿る」のメリハリをつけることで、根がしっかりと張った丈夫な株に生長します。

摘芯

生長期に当たる春~夏のあいだに、新芽の先を摘んでおくことで脇芽を増やせます。芽が増えることで花数が増えるため、開花時期にはこんもりとこぼれんばかりの花姿に仕上がります。

開花後の花ガラ摘み

カランコエは、花茎を伸ばした先に、小さな花をまとめて咲かせます。花茎は次々と伸びるため、咲いた花が3割ほど咲き終わってしおれたら、茎の付け根から切り落とすようにしましょう。古い花を整理することで、新しい花茎やつぼみに栄養分が回り、花を長く楽しむことが出来ます。

花が咲くと、花茎同士が混み入ってくるため、風通し確保のためにも剪定するようにしましょう。

植え替え

1~2年に1度の頻度で、一回り大きな鉢へ植え替えをしましょう。適期は、初夏5~6月、暑さの過ぎた9月頃です。

植え替え時は、数日前から水やりを控え、土を乾燥させておきます。株を古い鉢からゆっくり引き抜いて土を落とし、鉢底石と土を入れた新しい鉢へ植え替えましょう。伸びすぎた根は、半分程度まで切り詰めます。植え替え後はたっぷりと水をあげ、1週間ほど明るい日陰に置いて様子を見ましょう。

剪定と増やし方

植え替え時、長すぎる茎は短く切り落としましょう。根元10cmほどを残して切り落とすだけで大丈夫です。1カ月ほど経つと、切った茎にも新芽がつきます。

カランコエは、挿し芽で増やせます。葉が3~4枚程度ついた状態の茎を、バーミキュライトに挿しておくだけです。バーミキュライトでの水やりは、鉢土同様、しっかりと乾いてから水をあげましょう。1ヶ月程度で根が出ます。発根したら鉢土へ植え替えましょう。

まとめ

寒い季節に開花を迎える花は、短日性の特徴を持つものが多いです。からだで日照時間をはかって花をつける準備をする植物の性質。とても不思議で神秘的な営みですよね。

花をつける多年草カランコエ同様、肉厚な葉を楽しめる多肉カランコエも人気です。カランコエは、同じ名前を持つもの同士でも、見た目がまったく異なる面白さを見せてくれる植物です。

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