アレンジ自在・苔玉の作り方

モダンなインテリアアイテムとして定着しつつある『苔玉(こけだま)』。飾る器や、植物との組み合わせによって、和風・洋風・アジアンテイストと、パターンは無限大に楽しめます。売られているものもきれいですが、どうせなら自作の苔玉に挑戦してみてはいかがでしょう。自分で選んだ植物を使って丁寧につくった苔玉は、愛着も増して、見るたびに気分が上がること間違いなしです。

目次

苔玉とは?

植物の根を粘土質の土で包み、周りにコケを巻きつけたものを指します。

苔玉は、盆栽の鑑賞方法のひとつである「根洗い」に由来しているといわれています。根洗いは、盆栽を鉢から取り出し、根鉢(植物の根と鉢がかたまった状態)を鑑賞する方法。演出として、根鉢の周りにコケをあしらうことも。この根洗いを簡易的に楽しめるようにアレンジされたのが、苔玉だといわれています。

苔玉という楽しみ方が広く認知されるようになったのは、平成に入ってからのようです。定着しつつあるものの歴史は浅いため、まだまだポテンシャルを秘めた、発展途上の文化といえそうです。

苔玉づくりの材料

苔玉をつくる際、揃えておきたいものはこちらです。

  • 苗木
  • コケ
  • 手袋
  • ハサミ
  • ピンセット(割りばしでも可)
  • 霧吹き
  • 水をはったバケツ

下準備

苗木

苔玉は、基本的にどんな植物でも仕立てられるといわれています。どんな風に飾りたいかで、植物を選ぶのが楽しいところです。テーブルヤシやガジュマル、パキラなどのミニ観葉植物もいいですし、本格的な和風にこだわりたい場合は、モミジやマツ、牡丹など、盆栽用の苗木を使ってみるのもおすすめです。

苔玉に仕立てる前に、鉢から株を抜き、根についた土を優しく落としておきましょう。根を傷めてしまわないように、お箸やピンセットを使ってほぐすとやりやすいです。伸びすぎた根や、触れただけでぼろぼろ落ちる根があったら、1/3程度に切り詰めておきましょう。

コケ

種類が無限にあるコケですが、苔玉に使いやすいのはハイゴケです。シート状に広がって育つため、土に張り付ける作業がしやすいコケです。

ハイゴケは、使う30分程前に、霧吹きでたっぷり湿らせておくようにしましょう。

コケが厚い場合は、裏面の茶色い部分をハサミで切り落とし、厚みを調整しましょう。

土づくり

初心者の方は、あらかじめ苔玉キットの土を使うのが簡単でおすすめです。

自作する場合は、ケト土・赤玉土・ミズゴケなどを配合して作ります。

土は、水を加えて良く練り、粘土状になったものを使いましょう。耳たぶくらいの硬さに仕上げるのが目安です。

苔玉の作り方

苗木の根に土をつける

こねた土を少しずつ取り、土と根のあいだの隙間を埋めていくようなイメージで、苗木の根の周りに張り付けていきます。なるべく根のかたちが自然な伸び方になるように形成していきましょう。

土を増やして根を包み、すべて覆えたら全体を整えます。丸くまとめる以外に、しずく型や平たい形など、好みの土台にしてみるのもおすすめです。苗木のどの面を正面に据えるか、ここで決めるとイメージ通りに仕上がります。

コケで包む

土の周りをコケで包んでいきます。ハイゴケを取って土の側面に貼り付け、おにぎりをつくるように、ぎゅっと抑えながら包んでいきます。土が見える部分がないように、苔玉の下まですべて包むようにしていきます。

糸で固定

コケがはがれないよう、糸で巻き付けて固定します。縦・横・斜めと、方向が偏らないようにまんべんなく巻いていきます。目安は20回ほどです。コケがひらひらと落ちて、土が見える状態だと、中の土が流れてしまいやすくなります。後々の管理が楽になるので、コケが剥がれ落ちなくなるまで、しっかりと固定しましょう。

使う糸は、テグスでもいいですし、黒か緑の木綿糸を使うと、コケと同化して目立たなくなるのでおすすめです。糸の端を土の中に隠したら、完成です。

水に浸ける

完成後は、バケツなど、土部分がしっかり浸かる容器に水を入れ、10分程漬けておきましょう。

つくった苔玉は、1週間ほど日陰の涼しい場所に置いて馴染ませてあげてください。

苔玉管理のポイント

水やりはコケが乾いてから

コケの表面が乾いてきたら、ジョウロを使って苔玉の中に水がしみこむまで、たっぷりと水をかけましょう。霧吹きでコケを湿らせるだけでは、中の根にまで水が届かず、苗木が萎れやすくなります。

水不足で萎れかけた場合、水を張ったバケツに苔玉を沈め、丸ごと水分補給をさせてあげると回復します。

受け皿に水を溜めない

苔玉を置くお皿には、水を溜めないように気をつけましょう。コケが腐ったり、植物の根が傷んだりする原因になります。水がたまっていたら捨て、苔玉の余分な水分はしっかり切ってから置きなおしてください。

まとめ

苔玉の作り方を知っておくと、万が一のリカバリーもしやすくなりますよね。コケが茶色く変色したら、糸をほどいてコケを貼りかえてしまいましょう。またきれいな状態で楽しむことが出来ます。

いろんな組み合わせを見てみたくて、苔玉にハマってしまう方も少なくないようです。どれに飾るか、器えらびも楽しいですね。

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