森林サボテン・リプサリスの育て方

紐のように細い茎を垂らして生長するリプサリス。昨今、急速に注目を集めはじめた多肉植物です。不規則に茎を広げる個性的な株姿だけでなく、かわいい花と実まで楽しめる、ちょっとめずらしいサボテンの仲間のご紹介です。

目次

基本情報

リプサリスは、サボテン科リプサリス属に分類される多肉植物の1種です。自生地は、北アメリカ〜南アメリカの熱帯の気候地域。ジャングルで、木の表面や岩などにくっついて生長する着生植物です。自生地では木漏れ日を受けて生長するため、耐陰性に優れた性質を持ちます。

暑さに強く、高い空中湿度を好むことから、熱帯の森林サボテンとも呼ばれます。細長い葉を持つことから、ヒモサボテンの名称でも知られています。

リプサリスは、初夏に小さな花を咲かせ、その後に実を付けます。開花時期は4~6月頃。花色は、白が多く見られますが、品種によってイエロー系、ピンク系、オレンジ系で咲くものもあります。花後、葉を縁取るようにして、真珠のような丸い実が連なります。

花言葉は「燃える心」「偉大」など、サボテンと共通した言葉がつけられています。

リプサリスの種類

カスッサ

リプサリスの中で、流通が多い品種です。茎が細く、よく分岐するため、ふんわりとした優しい印象で生長していきます。小さな鉢から大鉢まで、選べるサイズ感で出回っています。

ホリダ

最もサボテンらしさを感じさせるホリダ。株全体に白いトゲが生えているため、白っぽく見えるのが特徴です。

トゲはとても柔らかいので、触っても痛くありません。

ラムローサ

カスッサやホリダと異なり、平べったい葉が特徴のラムローサ。茎は、生長するにつれて赤く染まっていきます。花は葉の縁に咲き、真珠のような白い実がつきます。

リプサリスの育て方

日当たりと環境

通年、風通しのいい明るい日陰でよく育ちます。光が少ない場所でも生長しますが、反対に強い日差しが苦手です。葉焼けしないよう、薄手のカーテン越しに光が当たる場所に置くようにしましょう。

生長に適した気温は、15~30℃くらいです。暑さには強いですが、35℃を超えると生育が鈍ります。寒さには弱く、越冬可能な気温は5℃が目安です。冬は、必ず暖かい屋内で育てるようにしましょう。

用土

水はけの良い土が最適です。市販のサボテン・多肉植物向けの専用土があると簡単です。

水やり

乾燥に強い品種が多いため、一般の観葉植物より、やや水やりの間隔があいても大丈夫です。リプサリスの葉は多肉質で、内側に水分をたくわえています。土の表面が乾いてから数日空けた後、たっぷりとあげるようにしましょう。

乾燥には強いものの、茎にシワが寄るようであれば、水不足のサインです。水やりのタイミングをはかるため、購入後は定期的に様子を見るようにすると安心です。空中湿度を保つため、日中霧吹きで葉水をすると元気に育ちます。

冬は生長がゆるやかになるため、水やりの頻度を落とします。月1回程度、水が鉢全体にしみわたって底からあふれるまで、たっぷりあげるようにしてください。

植え替え

長く育てるうち、新芽の出る数が減ったり、古い葉が枯れて全体的に葉数が減ったりしてきたら、根詰まりの可能性があります。1~2年に1度は植え替えて、リフレッシュさせてあげるようにしましょう。

適期は、4〜6月か、7〜10月頃が目安です。株をやさしく引き抜いて古い土を落とし、新しい土へと植え替えてあげてください。

増やし方

リプサリスは挿し木で増やせます。植替えと同じ時期に施すのがおすすめです。

節に沿って茎を5〜10cm程度の長さに切り、挿し穂として使います。切り口を、2~3日ほど日陰で乾燥させてから土に軽く挿します。挿し木専用土か、バーミキュライトなどを使いましょう。挿し木をした鉢は、風通しのいい日陰に置いて様子を見ましょう。根が生えるまでは1ヶ月ほどが目安です。

剪定・切り戻し

茎が長く伸びて樹形が崩れるようになったら、適宜切り戻しましょう。どこで切っても、その場所から芽吹いてくるので、好きな長さで整えてしまって大丈夫です。

茎が密集するタイプは、風通しが悪くなって蒸れてしまうことがあります。混み入った茎は、気温が高くなる前に、根元から間引いたり、剪定をしたりして通気性を確保するようにしてください。

葉が落ちるとき

リプサリスは、ちょっとした振動によって、茎がポロポロと落ちることがあります。細かく分岐するタイプは、軽く触れるだけで落葉することも。植え替えはもちろん、鉢を移動する際などは、やさしく扱うようにしましょう。

まとめ

リプサリスは、多肉植物の中では生長が早く、1年ほどでもボリュームが増して株姿が変化します。垂れさがる姿を活かして、ハンギングにしたり、高い場所に置いたりすることで、より魅力が引き立ちます。

応用編として、ビカクシダのように、ヘゴ板や着生ボードにくっつけてオブジェのように飾ってみるのもおすすめ。より自生地に近いかたちで、ダイナミックな自然の姿を味わえそうな飾り方です。かわいらしい花と実がつくのも楽しみですね。

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