縁起のよさが全面に出た名前をもつカネノナルキ(金のなる木)。昭和初期、若葉に5円玉をはめてお金が実ったように売り出したところ、爆発的に人気が出たという実績を持つ観葉植物です。生家を思い出すような懐かしさを含むカネノナルキですが、近年の多肉植物ブームによって人気が再燃し、注目を集めています。
基本情報
カネノナルキは、ベンケイソウ科クラッスラ属に分類される多肉植物です。原産地は南アフリカ。寒暖差の激しい乾燥地帯で、岩の多い荒れた土地に自生しています。耐寒性・耐暑性にすぐれ、丈夫で育てやすく、増やしやすい性質の植物です。
葉はつるつるとして光沢があり、多肉質で肉厚。角のない丸い形で、花が咲くようにして葉を広げます。生長すると、太くなった茎が木の幹のようにも見えるため、常緑低木に分類されることも。
自生地では3mほどに生長しますが、観葉植物として出回っているものは50cm前後のものが多いです。
カネノナルキは和名ですが、カゲツ(花月)という名前でも流通しています。英名では、dollar plant(ダラー・プラント)、money tree(マネー・ツリー)。お金にまつわる名前で呼ばれているのは世界共通です。
丸みのある葉っぱが五円玉のように見えることから、日本では「金のなる木」と呼ばれるようになったといわれています。
花と花言葉
カネノナルキの開花時期は、11月~2月頃。茎の先端に、白や淡いピンクの小さな花が可憐にまとまって咲きます。
花言葉は、「一攫千金」「富」「幸運を招く」「不老長寿」です。お金にまつわる名前にちなんだ花言葉たちです。
カネノナルキの育て方
日当たり
年間を通して、日光のよく当たる風通しのいい場所で育てるようにしましょう。日によく当てることで株が引きしまり、元気に育ちます。日陰に長く置くと、間伸びして樹形が崩れやすくなります。気温変化に強いため、屋外で育てるのにも向いています。
耐寒性はありますが、霜に当たると葉が傷み、株が弱りやすくなるため、真冬は軒下に移動して育てるようにしましょう。
生育気温
暑さ・寒さに強い性質です。最低気温は3℃~0℃くらいまで耐えます。関東以北、雪が降り積もる地域以外では屋外でも越冬が可能です。小さな株の場合、凍結や霜を防ぐため、気温が5℃前後になる頃には屋内に入れてあげると安心です。
用土と肥料
市販の多肉植物・サボテン専用の培養土でよく育ちます。自作する場合は、水はけの良さを心がけましょう。赤玉土5:腐葉土3:パーライト2の割合が理想的です。
土の成分から充分栄養が取れるため、肥料はほとんど必要としません。
水やり
土は乾かし気味を心がけるようにしましょう。多湿に弱いため、水のやり過ぎには注意が必要です。土がしっかり乾ききってから水をやり、その後またしっかり乾くまで水やりを控える、を繰り返します。葉や茎に水分を溜め込んでいるため、すぐに枯れることはありません。
花を咲かせたい場合、夏場の水やりを控えめにします。水分が減ることで葉にシワが寄りますが、花芽に栄養を回すことが出来るため、花がつきやすくなります。
冬場は休眠期になるため、ほとんど水を必要としません。水やりの頻度を控え、月に1・2回程度に留めるようにしましょう。
葉の様子でわかる異変
葉にシワがよるときは水分不足のサインです。水をたっぷりあげることで復活します。
反対に、葉がポロポロと落ちる場合は、日当たりが足りないか、水のやり過ぎの可能性があります。あたたかく日当たりの良い場所に移し、土をよく乾燥させて様子をみましょう。
剪定
大きく育ってきた株は、風通し確保のため、剪定を行うのがおすすめです。適期は、4~6月頃。切り落とした枝を使って挿し木でし、株を増やすことも出来ます。
切った茎で水耕栽培
剪定で切った茎を、水耕栽培してみるのもおすすめです。切った茎は、まず切り口をよく乾燥させます。株が飢餓状態になるため、挿したとき水分をよく吸収するようになります。挿した後は、水をこまめに変えてあげましょう。水耕栽培の場合、葉は大きく茂ることはありませんが、観賞用として充分楽しめます。
植え替え
真夏を避け、春か秋の過ごしやすい時期に施しましょう。1~2年に1回程のペースが目安です。
株を引き抜いて古い土を落とし、根の1/3程度切り詰めます。新しい鉢と土に植え替え、風通しのいい場所で根付くまで管理しましょう。ボリュームが出すぎた株を分け、株分けで植えるのもいいでしょう。手で根をほぐし、適当な大きさに分けて植え付けるだけで株分けがすみます。
まとめ
カネノナルキの魅力は、鉢の選び方で雰囲気を変えられることです。シックなモノトーンの鉢、マットな質感の鉢に入れて育てると、葉のツヤ感ともいい相性になり、モダンなインテリア性を発揮してくれます。
風水的観点でも、丸みのある葉は金運アップ効果が高いと位置付けられています。おしゃれに、かつ運気の上がるカネノナルキを飾れば、幸先のいい新年のスタートが切れそうです。