カラーリーフ・クロトンの育て方

葉を鑑賞する観葉植物でありながら、花のような鮮やかさが魅力的なクロトン。熱帯地域では、地植えでも育てられており、定番庭木としても知られています。発色のいい葉色は、トロピカルムード満点。飾るだけでリゾート気分が味わえるカラーリーフ・クロトンの育て方をご紹介します。

目次

基本情報

クロトンは、トウダイグサ科クロトンノキ属に分類される常緑性低木です。原産地は西太平洋諸島。世界中で1000種以上の品種があるとされています。

クロトンの特徴は、ビビッドカラーの斑(ふ)が入ることです。グリーンの地に、レッド系やイエロー系、オレンジ系の斑が模様のように入ることで、表情豊かな株姿になります。斑の入り方に個体差があるだけでなく、若い葉が生長するにつれて色合いが変わる品種も。同じ系統であってもそれぞれに個性があり、ニュアンスが異なって見える面白さを持っています。色だけでなく形もさまざまで、広葉系・長葉系・細葉系・鉾(ほこ)葉系など、系統によって分けられています。

変化に富んだ葉の特徴にちなんで、ヘンヨウボク(変葉木)という和名がつけられています。

クロトンの花

花茎を長く伸ばした先に、線香花火のような形の小さな花をつけます。葉のインパクトと比べるとひかえめで、はかない印象の花です。安定して高い気温がつづく場所で、充分に育った株であれば、日本国内でも見られるようです。

花言葉は「妖艶」「艶っぽい」。カラフルな葉に由来した言葉だといわれています。

クロトンの育て方

日当たりと環境

生育に適した気温は、20~30℃くらいです。日光をたくさん浴びることで、斑本来の色がきれいに発色します。耐陰性はありますが、葉色を保つために、定期的に明るい場所に移して日光浴をさせてあげましょう。

日差しの強い季節は、直射日光によって葉焼けを起こすことがあります。特に夏場は、強すぎる日差しや、西日が長く当たる場所は避けましょう。風通しのいい明るい日陰で育てるか、薄手のカーテンなどで日差しをやわらげてあげてください。暑さには強いですが、気温が35℃を超えると生育がゆるやかになります。

寒さには弱いため、冬場はあたたかい室内で育てましょう。10℃以上の気温で冬越しが出来ます。気温が低い場所や、寒暖差があると落葉を招きます。葉が落ちても、株が元気であれば、春にまた新芽が出てきます。

水やり

春~秋にかけての生長期は、水切れをさせないように気をつけましょう。水やりは、土の表面が乾いたら、株全体に行き渡るくらいたっぷりとあげ、再び土が乾くまで水やりを控えます。「乾燥」と「潤い」のメリハリをつけるようにすると、根がしっかりと張った株に育ちます。受け皿に水がたまったままだと根腐れを招くため、かならず捨てるようにしてください。

気温が低くなる季節は、水やりの頻度を落とし、やや乾燥気味に育てるようにしましょう。

クロトンは、空中湿度が高い状態を好みます。乾燥対策として、通年霧吹きを使って葉水をしてあげると元気に育ちます。

用土

水はけと通気性のいい土を好みます。市販の観葉植物用の土があると便利です。

植え替え

長く育てているうちに、下葉が落ちやすくなったり、葉の数が減ったりしてきたら、根詰まりの可能性があります。生長の早いクロトンは根詰まりしやすいため、定期的に植え替えをしましょう。適期は5~8月頃。気温が30℃を超える真夏は、株が弱りやすいため避けた方が無難です。

植え替えの際は、古い土を優しく落とし、新しい土を入れた鉢に植え替えます。植え替え後は1週間ほど明るい日陰でなじませてから、日差しにあてるようにしましょう。

増やし方

クロトンは、挿し木で増やすことができます。適期は植え替え同様、5~8月頃です。10cm程度に切った枝を挿し穂として使います。蒸散を防ぐため、葉は1/2程度切り詰めておきます。さし木用土に、1/3程度までさし、日陰で1ヶ月ほど様子を見ましょう。挿し穂を軽く手で引っ張り、抵抗を感じるようであればしっかり根が出ています。根が出たら鉢に植え替え、明るい日陰で根がしっかりと張るまで育てましょう。

切り戻し

生長が早いクロトンは背が高くなります。自重で倒れやすくなってきたら、支柱を立てて上げるようにしましょう。ミズゴケを使った『取り木』で、幹の途中から根を出させ、短く仕立て直すのもおすすめです。

取り木の際は、カッターを使って表皮をぐるりとはぎ取り、発根剤を塗ります。はぎ取る表皮の面積は、幹の直径の約2倍が目安です。表皮をはいだ部分に、湿らせたミズゴケを巻きつけ、上からビニールで覆って固定します。透明なビニールを使うと、発根がわかりやすいです。ミズゴケが乾燥しないように気をつけながら、根が出るのを待ちましょう。

発根が確認できたら、取り木部分のすぐ下を切り落とし、ミズゴケごと鉢に植え替えて整えれば完了です。

まとめ

ビビッドな色合いで明るい雰囲気を提供してくれるクロトン。葉のかたちが広いか細いかでも、飾ったときの印象が変わります。生花を飾るよりも長く魅力を楽しめるのが、カラーリーフのいいところです。好みの色合いの株を見つけたら、ぜひひと鉢おいてみてください。

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