丸みのある小さな葉をたっぷり茂らせるシルクジャスミンは、つややかな葉だけでなく、いい香りの白い花を楽しめる観葉植物です。「オレンジジャスミン」「九里香」と、世界各地で香りにまつわる名前で呼ばれるシルクジャスミン。どんな魅力のある植物なのでしょうか。
基本情報
シルクジャスミンの原産地は、東南アジアや中国・台湾・沖縄諸島。熱帯~亜熱帯に自生する常緑性の低木です。丈夫で生育旺盛、よく枝を伸ばすため、温暖な地域では庭木や生け垣、庭園樹としてよく利用されます。鉢植えの観葉植物としても人気です。
シルクジャスミンは、6~9月に開花時期を迎え、直径2cm程の白い花を咲かせます。日本で咲くのは気温の高くなる夏ですが、元々は季節を問わない四季咲の性質を持っています。
花の香りは甘酸っぱく、オレンジに似た柑橘系の香りを漂わせます。月夜に甘い香りで咲くことに由来した、ゲッキツ(月橘)の和名を持ちます。
花の後、シルクジャスミンは2cm前後の赤い実をつけます。実をつけた姿は、緑の葉とのコントラストが生まれてとてもきれいです。実は甘酸っぱく、そのまま摘んで食べられる他、ジャムにして楽しむこともできます。
ジャスミン(茉莉花)とシルクジャスミン(月橘)の違い
ジャスミンティーに使用される「ジャスミン」と、「シルクジャスミン」は、名前は同じでも違うグループに属する植物です。
ジャスミン
ジャスミン …モクセイ科
別名:マツリカ(茉莉花)・アラビアンジャスミン・ピカケ
花の色:白・黄色
花言葉:「愛想の良い」「優美」「愛らしさ」
シルクジャスミン
シルクジャスミン …ミカン科
別名:ゲッキツ(月橘)・オレンジジャスミン・九里香
花の色:白
花言葉:「純真な心」
シルクジャスミンは、ジャスミンの花に似ていることから名前がつけられたといわれています。いずれも甘い香りが特徴で、初夏になると花を咲かせます。
シルクジャスミンの育て方
日当たりがいい場所に
日当たりがよく、暖かい気候を好みます。明るく風通しのいい場所で育ててあげるようにしましょう。
夏の直射日光に当たりすぎると、葉焼けを起こすことがあります。真夏は明るい日陰、それ以外の季節は日当たりのいい場所に置いてあげるようにしましょう。
耐寒性があり、地植えも可能な植物ですが、冬場の気温が0℃近くまで下がる地域では鉢植えの方が安心です。
冬越し
個体差はありますが、3℃あれば冬越しが可能です。人が暮らす暖かい室内であれば問題なく冬を越すことが出来ます。暖房による風は、葉の乾燥を招きます。エアコンやストーブの風が当たる場所は避けましょう。
水やりはたっぷりと
生長期は春~秋です。特に夏場は、土がよく乾くため、水やりを欠かさないようにしましょう。
水やりは、「たっぷりあげる」「土が乾くのを待つ」のメリハリを心がけると失敗しにくいです。土の表面が白っぽく乾いたら、たっぷりと水をあげ、次の水やりはまた土が乾くのを待ってから。気温の高い季節は、鉢の中の温度が上がりすぎてしまうため、日中の水やりは避けましょう。
ベランダやバスルームにに鉢を移動させ、株全体に水をかけると、葉の表面にたまったほこりをきれいに流せるのでおすすめです。勢いのいい水が土に当たるとえぐってしまうので注意が必要です。
葉からも水を吸収するため、通年霧吹きで葉水をしてあげると、葉がつやつやに保てます。
剪定
シルクジャスミンは生長が早いため、枝や葉が混み入りやすくなります。風通しのよさを保つため、入り組んだ小枝は適宜剪定してあげるようにしましょう。風通しをよくすることで害虫予防にも効果があります。
植え替え
生長が早いため、長く育てていると根詰まりを起こします。2年に1回程度、植え替えをしてあげるようにしましょう。植え替えのタイミングは、春先か暑さの落ち着いた秋がおすすめです。
古い土をほぐし、伸びすぎた根は1/3程残して切り落としましょう。植え替え後はたっぷりと水を与え、風通しのいい日陰に置いて回復を待ちます。
増やし方
シルクジャスミンは、タネを蒔く方法と、挿し木によって増やすことが出来ます。
タネを蒔く場合は実を摘み、赤く熟した果肉を洗ってきれいに取り除いてから土に蒔きます。
挿し木をする場合は、切り取った10cm程の枝を挿し穂として使います。挿し木のタイミングは6~8月です。清潔な挿し木用の土に挿し、新芽が伸びてきたら鉢に植え替えてあげましょう。
シルクジャスミンは風水的にもおすすめ
風水の観点では、「植物=生命力そのもの」と位置づけられ、観葉植物は運気アップにも最適なアイテムとされています。
葉が上にどんどん伸びる性質、丸みのある葉を持つ特徴から、シルクジャスミンは陽の気を持つとされ、幸運を呼び込んでくれる植物としても人気があります。気の流れが停滞しやすいといわれるリビングに置くことで、邪気を払ってくれるだけでなく、恋愛運アップにも効果的だといわれています。
丈夫で育てやすいため、新築や開業・結婚祝いなどのギフトにもおすすめの観葉植物です。
まとめ
葉だけでなく、花も香りも実も楽しめるシルクジャスミン。切り花よりも花の時期を長く楽しむことが出来るので、室内で咲かせてあげるのもいいですね。お部屋にただよう甘い花の香りで、ますますリラックスできる空間になること間違いなしです。