グズマニアの育て方

グズマニアの育て方をお届け。パイナップルのヘタに似た不思議な植物、グズマニア。鮮やかな黄色と赤の花が目を惹く、南国イメージを喚起させる熱帯植物のひとつです。ビビッドカラーで個性的な存在感を発揮するグズマニアを、お家で育ててみませんか。

目次

グズマニアの基本情報

グズマニアは、熱帯アメリカ原産のパイナップルの仲間です。他のパイナップル科とともに、アナナス類と総称されることもあります。ロゼット状に広がる葉は多肉質でやわらかく、トゲのないするりとした質感をしています。自生地では、他の樹木や岩石にくっついて生長する植物です。葉は重なり合って筒状の空間をかたちづくり、そこに水をためて吸水します。

グズマニアは、パイナップルのような果実をつくりませんが、頭頂部にきれいな花苞をつけます。花に見える部分は苞(ほう)と呼ばれ、鮮やかな黄色と赤い色を数か月間楽しむことが出来ます。グズマニアの花苞は、切り花やフラワーアレンジの花材としても人気です。

中国では、神々しい鳳凰になぞらえて「ホウリ(鳳梨)」と呼ばれ、春節の贈り物・縁起物として扱われている植物です。

グズマニアの花言葉

グズマニアには、きれいな花苞にちなんだ花言葉がつけられています。

  • 「情熱」 …花苞の鮮やかな色に由来
  • 「理想の夫婦」 …次々と新たな子株をつけることから
  • 「いつまでも健康で幸せ」 …花苞が長く咲き続けている様子に由来

葉色と花苞のコントラストの華やかさや、前向きな花言葉が多くつけられていることから、贈り物としても人気の高い観葉植物です。

グズマニアの育て方

日当たりと環境

1年を通じて、風通しの良い明るい日陰に置いて育てましょう。真夏以外、春先や秋冬は日光によく当ててあげると、しっかりした株に育ちます。

耐暑性はありますが、直射日光に当たると葉が焼けてしまいます。葉焼けした葉は元に戻りません。夏場は日差しを避け、レースなど薄手のカーテン越しに光が当たる場所に置いてあげてください。

20℃~30℃で最も生長します。耐寒気温は5℃くらいですが、10℃以上あると安心です。

冬は、寒暖差の生まれやすい窓辺は避け、室内の奥側で育てるようにしましょう。

とがった葉先は、物にあたってこすれることで茶色く傷みます。周辺はある程度スペースを確保し、何にもぶつからない場所に置くことで、葉先まできれいに育てることが出来ます。

植え付け・用土

グズマニアは着生植物のため、土を使わなくても育てることが出来ます。水で戻した乾燥ミズゴケを土代わりにして植えつけます。ミズゴケは軽いので、鉢は重みのある陶器製を使うと株が安定します。水はけ確保のため、鉢には鉢底石や軽石を敷いておくようにしましょう。

ミズゴケは、ぎゅうぎゅうと絞りすぎると肥料成分が流れてしまうため、やわらかく絞って使います。

グズマニアの根をミズゴケで包み、鉢におさめ、隙間に残りの水苔を詰めて固定させます。ぎゅうぎゅうに詰めず、少し空気感を残した状態で仕上げましょう。割り箸があると便利です。

土でも栽培はできますが、ミズゴケは土と異なり、無菌状態で育てられるので安心です。 植え付けは、4〜6月の暖かい時期に行うのがおすすめです。

水やり

グズマニアは、株元の筒状になった部分にたまった水を吸います。水やりは根ではなく、株に水をかけるようにして与えましょう。生長期にあたる春~秋は、水が常にたまった状態を保つようにします。たまった水を入れ替える意味合いで、1週間に1回程度、株の上からたっぷり水をかけてあげるようにしましょう。

寒くなると水を吸う力が弱くなります。冬になったら、鉢をひっくり返して水を抜き、筒の底にやや水が溜まる程度におさえます。水をかける頻度は2週間に1回程度に落とすようにしてください。

通年、こまめな葉水で株周りの湿度を保ってあげるようにするとよく育ちます。葉がしおれて丸まってきたら、水が足りないというサインです。

花が終わったら

花苞をつけた株は、再度花を出さず、子株をつけます。花苞が色褪せて元気がなくなってきたら、株元10cmのところで切り落とし、子株がよく育つようにしてあげましょう。子株がしっかりと育つまで、親株はグリーンとして鑑賞しましょう。

子株が15cmくらいに育ち、葉が5枚ほどに増えたら、親株から切り離します。ハサミを使って親株の葉を一枚ずつ取り除き、子株だけが残るようにします。切り離す際、できるだけ根は残しておくようにしましょう。

子株は、水気を含ませたミズゴケに植えつけます。植えてから2ヶ月ほどで、根が出てきます。

分けた子株が開花するまで、3~4年かかるといわれています。株分け後は、長い目で見て育ててあげましょう。

開花促進処理

グズマニアの開花は春先ですが、通年花苞が手に入るのは、開花促進の処理をしているためです。

処理は、自宅でも簡単に施すことが出来ます。株と一緒に、リンゴをポリ袋に入れて包むだけ。1日1回、ポリ袋の空気を入れ替え、これを5日くりかえします。開花促進処理後、3ヶ月前後で開花します。

まとめ

切り花よりも長く楽しめる花苞は、お部屋を彩る差し色にもぴったりです。食べられないのはわかっていても、フルーツみたいに美味しそうな色をしていますよね。

見ているだけで元気をもらえる明るい観葉植物・グズマニア。お花屋さんで見かけたら、ぜひ一度、近くで眺めてみてください。

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