お料理やドリンク、スイーツと、活用範囲の広い果実・レモン。広い果樹園で栽培されているイメージが強いですが、鉢植えでも簡単に育てることが出来る植物です。採りたてのレモンで食卓を彩ることを目指して、お家でレモン栽培に挑戦してみませんか?
レモンの基本情報
レモンの原産地はヒマラヤ西部。柑橘類の中でも、香り・酸味に特徴を持つ「香酸柑橘」と呼ばれるグループに分類されます。ユズ・カボス・スダチも香酸柑橘の仲間です。
レモンは温暖で、雨量の少ない地域でよく育ちます。世界的な生産地として知られているのはアメリカのカリフォルニア、イタリアのシチリア島。日本国内でも国産レモンは栽培されており、産地として瀬戸内沿岸が知られています。
レモンの花
初夏になると、レモンは白く可愛らしい花を咲かせます。花期は5~6月。花が終わると、小さな実をつけるようになります。この小さな実が、馴染みのあるレモンの果実に生長します。
レモンの花言葉は、「誠実な愛」「思慮分別」。
刺激的な強い酸味にちなんだ「熱情」という花言葉もつけられています。
地植えであれば温暖な気候の方が育てやすいですが、室内外を移動出来る鉢植えであれば、ご自宅でも育てることが可能です。上手に育てると、鉢植えからも実を収穫することができます。
育てやすいおすすめの品種
レモンの苗木を手に入れるなら、秋ごろ~春にかけてがおすすめです。丈夫で育てやすい品種を選んでみましょう。
リスボンレモン
もっともポピュラーな品種といわれているのがリスボンです。寒さに比較的強く、実もつきやすいレモンです。関東より西の地域であれば屋外でも冬越しが可能です。
ジャンボレモン(ポンデローザ)
名前通り、実の大きさに特徴があるレモンです。通常のレモンの4倍ほどの大きさで結実します。花がつきやすい上、香り高いことでも知られています。
マイヤーレモン
オレンジとの自然交雑によって生まれたマイヤーレモン。酸味や苦みが強すぎず、まろやかな味わいの果実をつけます。レモンの香りはやや弱い傾向にありますが、耐寒性があり、育てやすい品種です。
レモンの育て方
環境と日当たり
レモンは、日光を受けてよく育つため、寒い季節以外は、屋外でも育てることが出来ます。強い風雨によって病害虫の被害が出ることがあるため、なるべく強い風が当たりにくい場所を選んであげましょう。
背が高くなるものの場合、苗木に支柱を添えることで枝折れや転倒を防ぐことが出来ます。
室内であれば、日の当たる窓辺に置くのがおすすめです。定期的にベランダに出し、日光浴がてら自然の風にふれさせてあげられるとベストです。
土は水はけのいいものを好みます。市販の果実用培養土がおすすめです。
水やり
土がしっかり乾いたことを確認してから、たっぷりの量をあげるようにしましょう。鉢全体に水が行きわたり、底からあふれるくらいが目安です。暑い季節は蒸散も活発になるため、朝と夕方に水をあげるようにしてあげましょう。
レモンは細かい根をたくさんつける傾向があります。水のあげすぎによって土が湿った状態がつづくと、根腐れしやすくなるため注意が必要です。
冬越し
レモンは、肌寒い季節になったら屋内に移し、お部屋の環境になじませてあげるようにしましょう。-3℃くらいまで耐えられるといわれていますが、霜や寒風にあたると、株が弱ってしまう可能性があるため、冬場は暖かい室内で育ててあげた方が安心です。
開花時期と摘果
一般的にレモンは、葉25枚に対して果実1個をつけるのが理想だといわれています。地植えにくらべると鉢植えの方が生長はゆるやかになるため、つける花や実の数は減る可能性がありますが、まったくつかないことはありません。
品種によって花の時期は多少異なりますが、レモンの花が咲くのは春~秋頃です。花のあとに、小さな実がなりはじめます。大きな果実を収穫するため、ついた実を間引いてあげることを「摘果」と呼びます。
葉の数と実のバランスを見ながら、余分な実を摘んであげましょう。実の数が減る事で、木は残った実を大きくすることに集中できるようになります。
剪定
若い苗木は、新しい枝を伸ばす力が強いため、枝だけが伸びてしまい、花や実がつきにくくなることがあります。枝が増えすぎないよう、樹形のバランスを見ながら、余分な枝は付け根から切り落としてあげましょう。枝を整えることで風通しもよくなるため、花付きがよくなります。
まとめ
レモンは、葉や実のかたちが愛らしいだけでなく、ビタミンやクエン酸・食物繊維やカリウムなど、美容効果の高い成分がたくさんつまった果実です。輸入品のように、ワックスや農薬を気にしなくていいのも自宅栽培の嬉しいポイントですよね。
苗木は、植えつけ後1~3年程育ててからが実を付けやすいといわれています。あらかじめ年数が経過した苗木を選ぶのもひとつですが、ゆっくり時間をかけて大きく育てる楽しみもあります。
手に入るレモンの品種も増えてきています。珍しいものもありますので、ぜひいろんな品種を見比べて検討してみてくださいね。