カンツバキ(寒椿)の花言葉

カンツバキ、という花をご存知でしょうか。サザンカやツバキ同様、寒い季節にどっしりとした大ぶりの花をほころばせる花です。植え込みにも多く用いられているので、名前はわからなくても1度は見かけたことがあるかもしれません。日本らしさを感じさせる、落ち着いた花を咲かせるカンツバキ。その花言葉についてご紹介します。

目次

カンツバキとは?

カンツバキ(寒椿)は、ツバキ科ツバキ属に分類される常葉中低木。日本固有の品種のひとつで、寒い季節に咲くことに由来した名前がつけられています。和名ではシシガシラ(獅子頭)。サザンカやツバキは同じグループに属する仲間で、花の形や特徴がとてもよく似ています。

カンツバキは、サザンカとツバキをかけ合わせて生まれた花だといわれています。品種改良も進んでいるため、カンツバキとサザンカは、園芸のプロから見ても見分けがつきにくいといわれるほどです。

花の付き方や咲き方はサザンカに近く、花びらの付け根から大きく咲き、咲いた後の花びらは1枚ずつ散っていきます。低木性で横に茂る特徴があり、寒さや日陰、刈り込みにも強いため、街路樹や植え込みとしても多く植え付けられています。

サザンカ・ツバキ・カンツバキ

似たもの同士の花たちの、開花時期や特徴を並べてみましょう。

  • サザンカ …開花10~12月頃、開花後は花びらを散らせる
  • カンツバキ …開花10~2月頃、開花後は花びらを散らせる
  • ツバキ …開花12~4月頃、花首ごと落ちる

咲く時期は若干異なるものの、いずれも、カラーバリエーションは赤・白・ピンクが主流で、花の形も似ています。異なるのは、花の散り方。ツバキは花びらを散らさずに落ちますが、カンツバキとサザンカは、花びらと雄しべ・雌しべを散らして咲き終わります。葉や枝ぶりも、それぞれに特徴はあるものの、やはり遠目では見分けがつきにくいでしょう。

カンツバキの見頃は、ツバキよりも早く、より寒い時期に全盛期を迎えます。

いずれも、表を歩いていると見かけることが多い点で共通しています。種類は違っても、色味の少なくなりがちな冬の景色に、あたたかい彩りを添えてくれる花たちです。

カンツバキの花言葉

カンツバキ全般の花言葉

「愛嬌」

愛嬌=親しみやすいかわいらしさを表す言葉です。カンツバキが咲くと、そこだけ光が当たったように、明るく見えます。寒く殺風景な冬景色の中で、鮮やかで可愛らしい花をつけることにちなんだ花言葉だといわれています。

「謙譲」

カンツバキは、花びらをひとひらずつ散らして咲き終わります。その散り際や佇まいからついた花言葉だということです。

「申し分のない愛らしさ」

カンツバキは、花が少なく、育つのに厳しい季節を選び、せいいっぱい咲きます。多くの人の目を惹きつける健気な花姿が花言葉の由来であるとされています。

カンツバキは日本固有の植物になるため、海外の花言葉はつけられていないようです。

色別の花言葉

赤系の花言葉

「控えめな素晴らしさ」 「見栄を張らない」 「高潔な理性」 「慎み深い」 「謙虚な美徳」

白系の花言葉

「最高の愛らしさ」 「申し分のない魅力」 「理想的な愛情」 「誇り」「至上の美」

ピンク系の花言葉

「控えめな美」 「簡素」 「静かなおもむき」

いずれも、色の持つイメージや、カンツバキの咲く姿に由来した言葉だといわれています。

慎ましく、奥ゆかしく、その姿が美しいとされる。日本らしい花言葉の数々が並んでいますね。

ツバキ・サザンカの花言葉

近しい品種のツバキ・サザンカの花言葉も比べて見てみましょう。

  • ツバキ …「控えめな優しさ」「誇り」
  • サザンカ …「ひたむきさ」「困難に打ち勝つ」

カンツバキ同様、厳しい環境でも花を咲かせる健気な姿にちなんだ花言葉がつけられています。

実は、サザンカとツバキは海外でも高い人気のある花です。ただ、日本とは異なり、ツバキもサザンカも同じものとして認識されています。

海外での花言葉は、「admiration(敬愛、感嘆)」「perfection(完全、完璧)」です。

赤は「You’re a flame in my heart(あなたは私の胸の中で炎のように輝く)」。

白は「adoration(愛慕、崇拝)」「loveliness(愛らしい)」。

ピンク色は「longing(恋しく思う)」。

同じ花でも、海の向こう側では、ストレートな思いを表す花言葉に変わります。文化の違いは、花言葉のつけ方にも表れるのですね。

カンツバキの育て方

和風の趣を感じられるカンツバキは、地植えだけでなく、観葉植物として鉢植えや盆栽で楽しむことが出来ます。生長はややゆるやかで、植え付けから2年程でしっかりと根付きます。

日陰や寒さに強い性質がありますが、日当たりがよく暖かい場所を好みます。植え付けに向いているのは、真夏を避けた春と秋。苗を購入して育てる場合、冬場の植え付けは避け、暖かくなるまで室内で育ててあげるのがおすすめです。

根付くと、長くつきあえる花木になってくれます。育て方によって、毎年の花付きが変わる楽しみ方も出来ます。

まとめ

カンツバキは、花が大きく、花びらの数が多いわりに、派手すぎない慎ましさが魅力的な花です。表を歩いているとき、咲いた花を見かけたら、特徴を調べてみましょう。カンツバキなのか、サザンカなのか。果たして見分けることが出来るでしょうか。

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