シャコバサボテン(クリスマス・カクタス)の育て方

ハンギング仕立てで、垂れ下がる葉を楽しめるシャコバサボテン。“サボテン”と名前が、ついているものの、いわゆるサボテン類とはフォルムが大きく異なります。冬にあざやかな花を咲かせるシャコバサボテン。その育て方をご紹介します。

目次

シャコバサボテンの基本情報

シャコバサボテンは、サボテン科シュルムベルゲラ属(カニバサボテン属)に分類される多肉植物です。原産地はブラジル種。

特徴は、独特な葉のかたちです。ヒイラギに似たトゲ付きの葉が連なり、増えることで伸びて下垂していきます。葉は茎節(けいせつ)とも呼ばれ、平らで肉厚、多肉植物らしい質感をしています。

実は、シャコバサボテンは和名。甲殻類のシャコのように節が連なっていることに由来してつけられた名前です。デンマーク・カクタス、クリスマス・カクタスとも呼ばれています。

シャコバサボテンは、放射状に広がって連なった茎節の先端に、色鮮やかな花をつけます。赤、ピンク、オレンジ、クリーム色、白など、いずれも葉の緑とのコントラストを強く感じる印象的な花です。

花言葉は「ひとときの美」「美しい眺め」「もつれやすい恋」です。

シャコバサボテンの育て方

日当たりと環境

日光を好み、あたたかく明るい場所でよく育ちます。しっかり日に当てて育てることで、引きしまった株になります。春と秋、日差しが強すぎずあたたかい気候の時期は、屋外で育ててあげましょう。強い直射日光で葉焼けを起こすため、真夏は風通しのいい日陰か、室内に置いてあげてください。高温多湿が苦手なため、梅雨の時期や長雨は、軒下などに移してあげましょう。

暑さが落ち着き、肌寒さを感じる時期になったら、室内管理に切り替えましょう。

気温

生育に適した温度は10~25℃が目安です。夏、気温の高い時期はやや生長がゆるやかになります。冬越しの目安は5℃以上を保つこと。室内管理であれば、枯れてしまう心配はないでしょう。

シャコバサボテンの育て方で気をつけたいポイントは、冬場の気温管理です。日中と夜間の気温差が大きくなりがちな場所では、つぼみや花が落ちやすくなります。日中は日当たりを確保できる場所、床の直置きよりは棚などの上、冷え込みが響きやすい窓際より部屋の中央に置くのがおすすめです。エアコンの風や暖房機器のそばは避けて、置き場所を決められると安心です。

水やり

生長期にあたる4~10月は、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげましょう。水分の蒸発が活発になる季節は、水切れに気をつけましょう。根腐れを防ぐため、土に触れてみて湿り気がある場合は水やりせず、乾くのを待ちます。受け皿の水はためずに捨てると、カビや虫を予防出来ます。

寒い時期は、1~2週間に1回くらいの目安で、たっぷりと水をあげましょう。花やつぼみに水がかからないよう、株元に水をあげるようにしてください。

環境の変化に注意

シャコバサボテンは、順応性は高いものの、急な環境の変化に敏感です。移動するだけで、つぼみや花を落とすことがあります。とくに、咲いた花の購入直後や、開花時期の移動には気をつけましょう。

購入したばかりの植物は、今まで並んでいたお店から環境が変わったことを察知し、馴染もうとして一時的に葉や花を落とすことがあります。少しつぼみが落ちても、急に置き場所を変えたりせず、その場所に慣らしてあげるようにして下さい。

シャコバサボテンの場合、1cmに満たない小さな蕾は元々落ちやすいです。購入時は、大きなつぼみのあるものを選ぶのがおすすめです。

短日処理

シャコバサボテンは、茎節の先に葉芽をつけ、葉が大きく育つとまた葉芽を先端につけ、生長していきます。秋以降、開花時期が近づいてくると、茎節には葉芽の代わりに花芽がつくようになります。

開花準備に切り替わるきっかけは、日が短くなること。シャコバサボテンは、日中の光の長さによって季節が変わるのを知り、昼が短くなると花をつける「短日性植物」です。昼の長さが10~12時間以下になってから1ヶ月後くらいに開花します。

屋外に置いておけば自然と準備は整いますが、夜間の街灯や部屋の明かりがある環境では、花がつきにくくなります。花を咲かせたい場合、夜間は暗い場所に移動させるか、人工的な短日処理を施す必要があります。

自宅での簡単な短日処理は、鉢に段ボールなどをかぶせて強制的に暗くすることです。目安は、夕方17時頃~8時頃まで、毎日シャコバサボテンに短日処理をし、これを1ヵ月くりかえします。茎節の先に花芽がついたことを確認できたら、短日処理を止めましょう。

1日でも日が長く感じると、短日処理の効果がリセットされ、花芽をつけるのがさらに1か月後になります。少し手間ではありますが、1ヵ月がんばってみてください。その手間を忘れるくらい、きれいな花が咲いてくれます。

まとめ

シャコバサボテンは、大きく育てると、見応えのあるオブジェのようなかたちに仕上がります。葉が連なる様子も、先端に花がつく様子もとてもきれいです。花の色は、購入するときに確認しておきましょう。何色が咲くかを知らないまま育ててみるのも楽しいかもしれません。

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