寒い季節にぴったりの枝ものインテリア、コットンフラワー。自然そのものの枝ぶりと、ガクからはじけたふわふわのコットンが暖かさを感じさせてくれます。このふわふわしたコットンは、私たちになじみの深い、衣類の原料でもあります。アートオブジェのような、不思議なかたちが目を惹きつけるコットンフラワーについて、一緒に見ていきましょう。
コットンフラワーとは?
コットンフラワーは、アオイ科ワタ属の植物です。原産地は、アジアや中南米の熱帯~亜熱帯。綿花(めんか)とも呼ばれ、織物をつくる糸の原料として、古くから栽培されてきた歴史を持ちます。日本に渡ってきたのは平安時代。綿栽培は戦国時代から始まり、江戸時代には全国に広がったといわれています。
夏の花・ハイビスカスとは同じアオイ科の仲間に分類される植物で、ハイビスカスによく似た5枚の花びらを広げて咲きます。開花時期は7~9月頃。花が咲き終えて1ヵ月ほどで果実が割れ、弾けるようにしてコットンボールが出来ます。品種によって、褐色や、グリーン・青系のコットンボールがつくられるものも。
収穫時期は9~11月頃です。雨に濡れると硬くなったり、カビの原因になったりするため、加工する際は早めに摘み取って使います。
コットンフラワーは、暑さには強いものの、耐寒性がありません。本来は多年草ですが、日本では1年草として扱われています。
コットンフラワーの花言葉
「優秀」「有用な」
コットンフラワーは、織物の原料でもあり、タネからも良質な油が採れます。古来、綿花栽培が、自給自足だけではなく、生活を支える大切な産業であったことに由来した花言葉だといわれています。
「私を包んで」
コットンボールの様子からつけられた花言葉だといわれています。実の中にあるタネは、ふわふわの長い繊維ですっかり包まれています。ふわふわとした肌触りに由来したと解釈する向きもあるようです。
他にも、「繊細」「偉大」「崇高」という花言葉がつけられています。いずれも、コットンボールの様子や用途にちなんだ花言葉ではないかと推察されます。開花後の実をうたったものばかりですが、咲く花自体を表す花言葉はつけられていないようです。
コットンフラワーの飾り方
ドライフラワー
コットンフラワーは、花材としても人気です。育てた枝を使う場合、自作するのも簡単で、育ったコットンフラワーを風通しのよい室内に吊るしておくだけ。ドライフラワーになったあとは、数年間形が変わりません。
そのまま吊るしておくのも可愛いですし、花びんやガラス容器に無造作に生けるだけでさまになります。何もしないのに、ナチュラルな雰囲気を簡単に演出できるのがいいところです。
コットンボールだけをカットして容器につめ、ボトルフラワーとして飾るのも素敵です。ボトルに入れることでホコリがつきにくくなるため、きれいな状態で長く楽しむことが出来ます。
リース・スワッグアレンジに
コットンフラワーは、冬を彩るアレンジ材料としても使えます。ご自身でつくる場合の材料に加えても良いですし、市販のリースやアレンジに後から付け足すのも、雰囲気が増すのでおすすめです。クリスマスシーズンの装飾や、ツリーのオーナメントに使うと、真っ白い雪のようできれいに映えます。
アロマポプリ
コットンボールに加工をしてみるのも楽しいです。いくつか摘み取り、ガラス容器やバスケットにふんわりつめて、好みの香りのアロマオイルを垂らすだけで、アロマポプリとして使えます。
薄く溶いた絵の具を染み込ませて、コットンボールをお好きなカラーに色付けしてみましょう。目でも香りでも楽しめる、素敵なインテリアアイテムになってくれます。
コットンフラワーの育て方
日当たりと風通しのよい場所を好みます。市販されている草花用培養土を使うと簡単です。
植え付け時期は、5月頃。地植え・鉢植えのいずれでも栽培が可能です。生長が早いため、鉢植えで育てる場合は、8号以上の大きめの鉢を選ぶようにしましょう。
水やりはたっぷりが基本です。水が土に染みわたるくらいにあげ、しっかりと乾いてから次の水やりをしましょう。夏の開花時期には水切れに注意です。真夏の水やりは、株に負担をかけないよう、朝や夕方の気温の低い時間帯にあげるようにしましょう。
開花後、1ヵ月くらいの目安で、実が熟してはじけます。繊維として使いたい場合は、コットンボールが見えたらすぐに収穫しましょう。ドライフラワーに用いる場合も、なるべく早く、茎ごと収穫するようにします。
実がはじけた直後は、水分を多く含んだ状態になっています。収穫後は、カビが発生しないように、しっかり乾燥させるようにしましょう。
日本では一年草として扱うことが多いため、植え替えは不要です。
まとめ
ユニークなかたちが魅力的なコットンフラワーは、ドライフラワーとの相性がとてもいいです。より季節感を出したいときは、ナンテンやヒイラギなど、赤い実のついた花材と一緒に使ってみると、暖かみが増します。
コットンフラワーは購入も出来ますが、ご自宅で育ててみるのも楽しそうですね。