殺風景になりがちなオフィスやワークスペースにおすすめしたいのが、観葉植物を置くことです。本物と見分けがつかないくらい、精巧なフェイクグリーンもあります。ですが、せっかくなら、生き生きと育つ観葉植物を置いてみると、気分も大きく変わるのではないでしょうか。
観葉植物を置くメリット
ストレスの軽減
植物が室内にあることで、ストレスを軽減する効果があることは、科学的証明によって裏付けられています。植物本体の存在や香り、さらに鉢植えの土に生息する微生物までが、ストレスや不安を緩和する助けになってくれるといわれています。
生産性アップ
観葉植物の緑色は、見る人に適度なリラックス効果を与えます。緊張をゆるむことで呼吸が自然と深くなり、集中力アップにつながります。また、植物は光合成の働きによって二酸化炭素を吸収し、酸素を放出しています。適量の酸素が供給されることで、集中力の持続にも役立つとされています。
空気清浄効果
観葉植物は空気中の有害物質を吸収し、除去する効果があることがNASAの研究により明らかにされています。空気清浄機でも取り除けない物質まで吸着することから、「天然の空気清浄機」と呼ばれることもあります。
選び方のポイント
仕事をする空間に置くなら、置きたい場所に合ったサイズ感で選ぶようにすると効果的です。癒し効果をねらったものが、仕事のさまたげになってしまっては本末転倒ですよね。空間の広いところには大きめの鉢を。デスクやキャビネットに置くなら、小さめのサイズの鉢を置くようにしましょう。
また、普段のお手入れを考えて、葉が落ちにくい品種だと安心です。植物は新陳代謝だけでなく、不調のサインとして葉を落とします。生き物としての正常な反応であり、健康を見分けやすいポイントでもありますが、こまめに手入れが出来ない空間に置く際は、避けた方が安心です。
日当たりの良しあしや、数日水やりが出来なくても元気に育つ、丈夫な性質の植物を選ぶようにしましょう。
オフィス空間におすすめしたい観葉植物5選
サンスベリア
肉厚で鋭い葉を垂直に伸ばすサンスベリア。暑さや乾燥に強いことから「世界で最も丈夫な植物」ともいわれています。トラノオという和名のとおり、横縞が入っている種類がよく知られていますが、葉が短いものや棒状の葉など、品種も豊富です。樹形が崩れにくい上、葉が横に広がらないため、省スペースで飾れるメリットもあります。
ドラセナ
幸福の木とも呼ばれ、贈り物の定番で選ばれることが多いドラセナ。これは「玄関に飾ると幸福が舞い込む」という、ハワイの言い伝えが由来だといわれています。上へ力強く伸びる葉は、成功・発展の象徴。日陰に強い性質を持ちますが、日の当たる場所に置くことで、葉がきれいに発色します。
大きいものから小さいものまで、サイズ展開も豊富なため、置きたい場所に合わせた大きさを選びやすいのもポイントです。
青年の樹(ユッカ)
ドラセナ同様、次々と新芽を出すその力強さと生命力から、成長・発展のシンボルともいわれている青年の木。どっしりとした幹と、みずみずしい緑の葉のコントラストが美しい観葉植物です。
風水の観点でいえば、とがった葉には厄除け効果もあり、空間の気の浄化にも効果的。すみずみまで掃除したり、換気をこまめにしたりすることが難しいオフィス空間に、おすすめの植物です。
モンステラ
うちわ状に広がる大きな葉に、深く入った切れ込みが特徴的なモンステラ。生命力が強いため、他の植物を押しのけて生長する「モンスター」という呼び名が、名前の由来だといわれています。南国イメージの強い植物ですが、色味のとぼしい空間に置くと、抜群の存在感で癒し効果をもたらしてくれるつわものです。
大きい葉も魅力的ですが、テーブルサイズのヒメモンステラも人気です。
フィロデンドロン
葉の形や樹形に富んだバリエーションを持つフィロデンドロン。つるを伸ばす品種は、ミニ観葉やハンギング、直立性のものは背が高く見栄えのする鉢物として、いずれも高いインテリア性を発揮します。切れ込みの入った葉をつけるクッカバラ、シルバーグリーンの葉を持つフィロデンドロン・インベ、刷毛ではいたようにピンク色の斑が入るピンク・プリンセス。白がかった葉脈がくっきりと浮かぶアンドレアヌム。質感や形の異なるカラーリーフも多く流通しています。
まとめ
仕事空間に置くなら、目線の延長線上に来る場所を心がけてみましょう。立ったとき、座ったとき。デスク周りに置けなくても、ちょうど目に入る場所に小さくグリーンがあるだけで、その効果は大きく発揮されるのではないでしょうか。
大きな鉢は、入り口のシンボルツリーや、スペースを区切って視線をさえぎるパーテーション代わりにもなります。シャープな印象、やわらかい印象。葉の形や色合いから受ける印象は、大きく変わります。つくりたい空間のイメージに合うのはどんな観葉植物でしょうか。選ぶ時間もきっと楽しいはずですよ。