定番人気の花でありながら、年々新しい品種が生まれ続けているチューリップ。現在は、園芸品種だけで6000種を超えるといわれています。見ているだけで、心が浮足立つような色合いを揃えたチューリップ、その花言葉についてまとめてみました。
チューリップとは?
春になると出回り始めるチューリップは、ユリ科に分類される球根植物です。原産地はアジア~アフリカと広く、世界中で愛されている花のひとつでもあります。開花の最盛期は3~5月頃。よく知られている一重咲き以外に、八重咲きやフリンジ状に咲くものなど花びらに特徴を持つものや、小型~大型と草丈が異なるものなど、花姿もいろいろです。 チューリップは、切り花・フラワーアレンジ・鉢植えやガーデニング、水耕栽培など、楽しみ方も多岐に渡ります。
チューリップ全般の花言葉
すべてのチューリップに共通する花言葉は、「思いやり」「博愛」です。
由来となったのは、とある昔ばなしだといわれています。
ある村に、とても美しい少女と、少女に思いを寄せる3人の騎士がいました。騎士たちは、それぞれが王冠・剣・黄金を携え、少女へ結婚を申し入れます。少女は、3人の中からたった1人を選ぶことが出来ずに悩み、花の女神・フローラに相談します。そして、自分の姿を花に変えてくれるようにお願いしました。フローラは、少女の願いを聞き入れ、彼女をチューリップの姿に変えたといいます。
誰も悲しませなくていいように、少女は誰も選ばなかったという逸話が元になり、チューリップの花言葉が生まれたようです。チューリップは、花が王冠を、葉が剣を、球根が黄金を表しているといわれています。
英語では、「perfect lover(理想の恋人)」「fame(名声)」という花言葉があります。前述の逸話から発展した解釈ともいわれ、『王冠・剣・金塊をあわせ持った姿=すべてを備えた完璧な女性』と見立ててつけられた言葉だということです。
チューリップの色別の花言葉
カラーバリエーションが豊富なチューリップには、色ごとに花言葉がつけられています。いずれも、色が持つイメージにちなんだ花言葉がついているようです。
赤いチューリップ …「愛の告白」
「declaration of love(愛の告白)」「true love(真実の愛)」「eternal love(永遠の愛)」「romantic love(ロマンチックな愛)」「believe me(私を信じて)」
赤い花は、『愛情』を喚起させるカラーだといわれています。赤いチューリップには、情熱的な愛を表現した花言葉が並んでいます。ペルシャでは、プロポーズするときに、赤いチューリップを贈る習わしがあるそうです。
白いチューリップ …「失われた愛」「新しい愛」
「ask for forgiveness(許しを請う)」「purity(純粋)」
白は、浄化や喪失感、再生をあらわす色だといわれ、そのイメージから生まれた花言葉ではないかといわれています。
ピンクのチューリップ …「愛の芽生え」「誠実な愛」
「caring(優しさ・思いやり)」「attachment(愛着・愛情)」「happiness(幸福)」
ピンク色は、女性を象徴する色ともいわれています。初心な乙女を連想させることからついた花言葉だとされています。
黄色いチューリップ …「望みのない恋」「名声」
「unrequited love(報われぬ恋)」「brightness(明るさ)」「sunshine(日光)」
キリストを裏切るユダが着ていた色だったことに由来し、『黄=裏切り』の印象があることに関連した花言葉です。チューリップに限らず、黄色い花にはネガティブな花言葉を持つものが多いようです。
紫のチューリップ …「不滅の愛」
「royalty(王者の風、気高さ)」
古来、紫色は染め物をつくる際に大変苦労したといいます。紫は最高位の色と位置付けられていたことより、イメージがそのまま花言葉へと展開されたようです。
緑色のチューリップ …「美しい目」
グリーンベースのチューリップは珍しい品種だといわれ、植えられた場所でも一際目を惹く存在になります。その存在感になぞらえてつけられた花言葉だといわれています。
オレンジのチューリップ …「照れ屋」
明るいオレンジ色のチューリップは、その多くがベースカラーとグラデーションをつくり、ほんのり染まったような色合いで咲きます。花姿が照れて頬を染める様子を連想させることからついた花言葉のようです。
品種別の花言葉
新品種が生まれると、開発者や販売する会社が花言葉をつけることがあります。新しい品種がつくられるたびに、花言葉が増える所以です。
- 原種系チューリップ …「まじめな恋」
- 斑(ふ)入り …「疑惑の愛」
- 八重咲き …「永遠の愛情」
- パーロット(フリル)咲き …「愛の表現」
- アンジェリケ …「夢」「魅惑」
- アップスター …「天真爛漫」
- ピンクダイヤモンド …「恋する年頃」
まとめ
日本国内でのチューリップの名所は多々ありますが、県を代表して栽培しているのは新潟県や富山県です。日本海側では、秋に収穫時期を迎える稲作の裏作として、春咲きチューリップの栽培を始めるようになったといわれています。チューリップが咲き誇る時期には、波がチューリップの花粉で黄色く染まるほど。
ご覧いただいたように、たくさんの花言葉がつけられているチューリップ。愛されてきた歴史の分だけ、思いを込めた花言葉が増えてきたのかもしれませんね。