鮮やかな発色の小花で知られるカランコエ。種類の豊富さが人気の園芸品種、カランコエは、花を楽しむタイプと、葉を鑑賞するタイプに分かれています。今回は、葉を楽しむカランコエ。なかでも観賞価値が高く、シルバーリーフと称される『カランコエ・プミラ』の特徴と、その育て方のご紹介です。
カランコエ・プミラとは?
カランコエは、ベンケイソウ科カランコエ(リュウキュウベンケイ)属に分類される多年草植物。原産地は、アフリカ、アラビア半島、東南アジアなどです。原種だけでも約100種類ほどがあり、それらの原種を元に作られた園芸品種は豊富で、株姿のバリエーションも多岐に渡ります。
カランコエ・プミラは、マダガスカル原産の多肉植物。白銀の舞(しろがねのまい)という和名を持っています。名前の通り、葉は白色のごく短い産毛に覆われており、目の細かな粉を浴びたような質感をしています。光の当たり具合によって白銀のような輝きをみせる特徴が魅力です。草丈は15cm程度と低く、地面を這うように横に広がって生長します。冬には、葉がうっすらと紅色を帯び、淡いピンク色に色付くものも。
葉の美しさが特徴的なカランコエ・プミラですが、つける花も可愛らしいです。茎の先端から、ピンク色の小さく華奢な小花を咲かせます。開花時期は1~2月頃です。
花言葉は、「あなたを守る」「おおらかな心」です。
カランコエ・プミラの育て方
日当たりと環境
直射日光を好み、日当たりと水はけ、風通しのよい環境でよく育ちます。気温の下がる冬以外は、屋外で育てるのに向いています。充分に日光を浴びることで、引きしまった丈夫な株になります。日光は好きですが、夏場の日差しは強すぎるため、真夏は半日陰で育てるようにしましょう。
高温多湿に弱いため、長雨の時期は注意が必要です。1日程度の雨水は問題ありませんが、雨が続く場合は、軒下などに置き場所を移すようにしてください。暑い季節は、鉢の直置きは避け、棚やスタンドを使って底面の通気性を確保してあげましょう。
霜が降りない地域であれば、屋外管理のまま越冬可能です。耐寒性はありますが、霜や凍結によって株が一気に弱るため、鉢植えで管理し、寒い季節だけ室内に入れて育ててあげる方が安心です。
葉の扱いに注意
カランコエ・プミラの特徴は、シルバーグレイの葉色です。産毛に覆われた品種は、表面の刺激によって弱ったり、産毛がはがれたりする可能性があります。葉がこすれたり、必要以上に触れたりすると、表面の色味が変わるだけでなく、株が弱りやすくなります。強い雨が当たるのを避け、水やりの際もなるべく葉には当たらないように気をつけて育てましょう。
用土と肥料
水はけのいい土がおすすめです。多肉植物用の培養土があると便利です。ご自身で配合する場合は、赤玉土をメインにして、ピートモスや鹿沼土を混ぜるなど、排水性の確保を意識した土づくりをしましょう。
水やり
水をあげる際は優しく、葉にはかけずに株元へあげるようにしましょう。
生長期は春~秋です。この時期は、水をあげた分だけ生長する季節です。鉢の土が乾いたら、鉢底からあふれるくらいたっぷりと水をあげましょう。暑い季節は、気温の低い午前中や、暑さの過ぎた夕方頃に水をあげるようにしてください。
冬は月に1回程度の乾かし気味で管理します。
植え替え
根がつまってきたら、新しい土の入った鉢へ植え替えをしましょう。適期は、春先~9月頃。夏の猛暑の時期は回復しにくくなるため避けましょう。
鉢から株を引き抜き、根を1cmに切り戻します。根は1~2日程度切り口を乾かしてから植え付けるようにしましょう。根を切らなくても植え替えは出来ますが、適度に切り戻すことで生長を促す効果があります。
植え替えた後は、水をたっぷり与えた後、やや乾かし気味に管理します。植え替え後1週間くらいは明るい日陰に置いて回復させましょう。
増やし方
挿し芽によって増やすことが出来ます。適期は5月頃と9月頃が目安です。気温と湿度が高い時期は、株が弱りやすくなるため避けましょう。
葉っぱが3~4枚ついた茎を切り取り、切り口を日陰で2~3日程度乾かします。その後、挿し木・種まき用の土に挿し、水を与えずに様子を見ましょう。発根までの目安は1ヶ月程。根が出て来たら水を与え、新しい土を入れた鉢に植え替えてあげてください。
葉が落ちる場合
ポロリと葉が落ちる場合、要因はいくつか考えられます。
カランコエ・プミラは、水のやり過ぎ、水切れ、気温が低い、日照不足などで葉を落としやすくなります。不自然に葉が落ち続ける場合は、育てている環境の見直しをしてみましょう。改善せず、弱る様子であれば、
一度鉢から株を抜き、根の状態を確認してください。さわっただけで根がぼろぼろと落ちるようであれば根腐れが原因と考えられます。悪くなった根を清潔なハサミで切り落とし、新しい土に植え替えて回復させてあげてください。
まとめ
一見よく出来たフェイクグリーンのような、カランコエ・プミラ。独特のニュアンスを持った葉色は、角度によって表情が変わるユニークさもあります。ハンギング仕立てにして、吊るして育てるのもきれいです。上手に育てて、いろんな表情を楽しんでみてください。