ベルのような形の小花を鈴なりに咲かせるカランコエ・ウェンディ。数あるカランコエの中でも、花を観賞するタイプの代表格としてよく知られている植物です。シックな色合いの花と、グリーンの葉色のコントラストがとてもきれいです。ひと鉢あるだけで、空間をぱっと明るくさせてくれる効果も。華やかさと育てやすさを兼ね備えたカランコエ・ウェンディ、その育て方についてまとめました。
基本情報
カランコエは、ベンケイソウ科カランコエ(リュウキュウベンケイ)属に分類される多年草・多肉植物です。茎や葉に水分をためこむ性質を持つため、乾燥に強いという特徴があります。
カランコエは、大きく分類すると2種類あり、葉に特徴があるタイプと、花に特徴があるタイプに分かれます。
ウェンディは、花に特徴があるカランコエの一種で、オランダ生まれだといわれています。ツリガネ状の花を枝垂れるように咲かせるカランコエには、ベニチョウチンと呼ばれる品種があります。これをさらに園芸品種用に改良し、花を咲きやすくさせたのがウェンディです。
カランコエ・ウェンディは、枝の先にベル状の花を下向きにたくさんつけます。花の形は丸みがあり、すずらんの花によく似た可愛らしいフォルムが特徴的です。花色は濃い紫が主流で、花びらの先端は縁取られたように黄色く染まります。株はコンパクトながら、ひとつの株にたくさんの花をつけるため、大人っぽい豪華さで見応えがあります。
開花時期は3~5月頃。花言葉は「幸福を告げる」です。ツリガネ状の花をたくさんつける様子が、幸せを告げるベルを連想させることからついた花言葉だといわれています。
また、カランコエ全般には「たくさんの小さな思い出」という花言葉もあります。小ぶりの花がたくさん咲く姿が元になってつけられた言葉だということです。
カランコエ・ウェンディの育て方
カランコエ・ウェンディの育て方
風通しがよく、日当たりの良い場所で元気に育ちます。冬以外は、屋外でも育てることが出来ます。強すぎる直射日光は苦手なため、日差しが強くなる5月以降は、明るい日陰に移してあげましょう。
カランコエ全般、乾燥には強い性質を持ちますが、高温多湿環境が得意ではありません。通年、蒸れないように工夫してあげてください。屋外管理では、雨を避けられる軒下で育てるようにしましょう。
気温の上がる季節は、ベランダやコンクリートに直置きすると、鉢内の水分で株が蒸れてしまいます。フラワースタンドやすのこの上に乗せるなど、高さを出して風通しを確保してあげましょう。
ウェンディは耐寒性が強く、0℃くらいまで耐えるといわれていますが、冷たい風や霜・凍結には弱いです。気温が一桁台になったら、室内で育てるようにしましょう。窓際は冷気が伝わりやすいため、夜間は、窓から離し、部屋の中心部で育ててあげると安心です。
用土と肥料
水はけのよい土を好みます。市販の多肉植物やサボテン用の培養土を使うと簡単です。
肥料は特段必要としませんが、花が咲き始めるタイミングで、液体肥料や置き型の緩効性肥料を適宜使ってあげると花付きがよくなります。
水やり
多湿が苦手なので、通年やや乾かし気味に育てるようにしましょう。土の表面が乾いて、白っぽくなったら、水やりのサインです。あげるときはたっぷりの量を、鉢底から水が流れてくるまであげましょう。ウェンディの花や葉っぱには直接水がかからないよう注意し、株元へあげるようにしてください。
冬場は休眠期に入り、水をあまり吸わなくなるため、頻度を落とします。土が乾いていることを確認し、半月に1回程度の目安であげるようにしましょう。
植え替えと剪定
生長の具合に合わせて、1~2年に1回、植え替えをするのがおすすめです。適期は、花が終わった6月頃。伸びすぎた茎は剪定した上で、一回り大きな鉢に植え替えるようにしましょう。植え替えの際は、必ず古い土を落とし、新しい土を入れた鉢に植え替えてください。
植え替え直後の株は、少し弱ります。たっぷりと水やりをした後、1週間ほどは日差しを避け、風通しのいい半日陰で様子を見ましょう。
花が咲いた後は、茎ごと切り戻すようにしましょう。節の上で切ると、よく枝分かれするため、まとまった株に仕上がりやすくなります。
増やし方
カランコエ・ウェンディは、挿し木で増やせます。剪定の際の茎を挿し穂として使いましょう。茎を切り取ったら、下の方についた葉っぱは切り落としておきます。切り口を乾かすために、2〜3日ほど日陰に置いておきましょう。
挿す土は、挿し木用かバーミキュライトがおすすめです。清潔な土を容器に入れ、1/3程度まで茎を挿しましょう。約1カ月で発根します。根が出たら、新しい培養土を入れた鉢に移してあげましょう。
まとめ
咲き姿にバリエーションが多いカランコエの中でも、ウェンディは特徴的な色と形で花を咲かせます。環境がなじめば、毎年新しい花を見せてくれます。ベル状の花がついた分だけ、たくさんの幸せを呼び込んでくれたら素敵ですよね。大切に育てて、花をいっぱい咲かせてみてください!