幾重にも重なった花びらとボリューム感のあるフォルムで、華やかな存在感を放つラナンキュラスの花。花色と咲き姿が多いためバリエーションも幅広く、アレンジメントのメインを張るマスフラワーとしても人気です。見た目にも楽しいラナンキュラスの花言葉の数々を集めてみました。
ラナンキュラスの基本情報
ラナンキュラスは、キンポウゲ科キンポウゲ属に分類される多年草。原産地は、地中海沿岸やヨーロッパ東南部、西アジアなど。オランダを始め、世界中で華やかな園芸品種が多数つくられている花です。
花名「ラナンキュラス(Ranunculus)」は、ラテン語でカエル(rana)が語源。原種のラナンキュラスが湿地を好むこと、葉の形がカエルの足の形に似ていることにちなんでいるということです。
こんもりとふくらんだ豪華な咲き姿でよく知られていますが、カール咲きや、フリル状に開くピオニー咲き、シンプルな一重咲きなど、花びらの付き方によって印象が変わるのも魅力です。
ラナンキュラスは、アネモネやクリスマスローズと同じキンポウゲ科の仲間にあたり、一重咲きのラナンキュラスは、アネモネの花にもよく似ています。
和名では、ハナキンポウゲ(花金鳳花)。バターカップ(Buttercup)の別名でも呼ばれています。
ラナンキュラスは、室温や光に反応して花びらが開いたり閉じたりする習性があります。気温の低い時期の方が花持ちはいいため、切り花の最盛期は3月頃といわれています。
出回り時期は3~11月。開花の最盛期は4~5月頃です。
赤、白、ピンク、黄、オレンジ、紫、緑など、グラデーションカやバイカラーなど、選べる色展開が豊富なところも嬉しいポイントです。
ラナンキュラスの花言葉
「とても魅力的」「華やかな魅力」「光輝を放つ」
ギリシャ神話由来の花言葉だといわれています。
少年・ラナンキュラスは、友人ピグマリオンと共に山道で迷ってしまい、たどりついた村で一晩泊めてもらうことになりました。そこで、美しい娘・コリンヌと出会い、恋に落ちます。しかしコリンヌが惹かれたのはラナンキュラスではなく、友人のピグマリオンの方でした。コリンヌとピグマリオンは惹かれ合い、愛し合うようになります。ラナンキュラスは自らの恋心を隠して2人を祝福し、離れたシシリー島へと渡って身を隠します。
ラナンキュラスを追ってシシリー島へたどり着いたピグマリオンが見たものは、彼の墓と、墓前に咲く1輪の黄色い花でした。慰めるように寄り添うその黄色い花は、のちにラナンキュラスと呼ばれるようになったそうです。
大切な親友と、愛する女性の幸せを願って身を引いたラナンキュラスの逸話から、これらの花言葉がついたといわれています。ただ由来には諸説あり、花びらが絹のような触り心地をしていること、鮮やかな色合いがとても美しいことにちなんでいると解釈する向きもあるようです。
「魅力ある金持ち」
ラナンキュラスの花びらの多さに由来した花言葉だといわれています。内側を隠すように重なる花びらは、約100枚。数え切れないほどの花びらが重なっているさまが、ふっくらとした様子で富を連想させることからついた言葉だということです。
「合格」
受験シーズンに当たる早春に出回ることが多いことから、縁起の良い花言葉がつけられたといわれています。ラナンキュラスと同じグループの花、クリスマスローズも、合格祈願の花言葉を持っています。
「大家族」
ラナンキュラスは、球根植物のひとつです。一般的に、ひとつの球根は、1輪の花しか咲かせません。ラナンキュラスは一つの球根からたくさんの花を咲かせることから、この花言葉がついたといわれています。
「名声」「名誉」
フランスの国王・ルイ9世の逸話が元になった花言葉です。十字軍による遠征後、帰国する際に、花が好きな母のためにラナンキュラスを持ち帰ったことに由来しているということです。
色別の花言葉
多彩なラナンキュラスは、色ごとに異なる花言葉を持っています。いずれも、色の持つイメージに基づいた花言葉だとされています。
- 赤 …「あなたは魅力に満ちている」
- 白 …「純潔」
- ピンク …「飾らない美しさ」
- 黄色 …「優しい心遣い」
- 紫 …「幸福」
- オレンジ …「秘密主義」
- 緑 …「お祝い」
海外での花言葉
世界中で愛されているラナンキュラスには、各国で花言葉がつけられています。
ラナンキュラスが魅力的なのは、世界共通といえそうです。
・英語:
「radiant charm(晴れやかな魅力)」
「I am dazzled by your charms(あなたの魅力に目を奪われる)」
・オランダ語:「Charme uitstralen(魅力を放つ)」
・ドイツ語:「Du bist zauberhaft(あなたは魅力的)」
・フランス語:「je suis éblouie par vos charmes(あなたの魅力に目がくらむ)」
まとめ
ラナンキュラスの花言葉は、花の持つ雰囲気を反映した明るい花言葉がたくさん連なっています。同じ系統の色でも、発色のいいもの、少しシックな色合いのもの、アクセントのように色が入るものなど、特徴はさまざまです。どの花にしようか迷える贅沢さが味わえるのも、ラナンキュラスの魅力のひとつかもしれませんね。