清々しい香りと、かわいらしい小さな花が魅力的なクリーピングタイム。お料理に使われるハーブ、タイムの仲間で、食用ではなく観賞用として栽培されている植物です。鉢植えや、お庭のグラウンドカバーとしても効果的なクリーピングタイムを、お家で育ててみませんか。
基本情報
クリーピングタイムは、シソ科イブキジャコウソウ属に分類される多年草です。原産地はヨーロッパ・北アフリカ・アジアなど。
『タイム』は、すっきりとした香りとほろ苦さが特徴のハーブです。お料理の風味づけ、アロマやハーブティーなどの用途の他、薬効のあるメディカルハーブとしても、世界中で知られています。
タイムは大きく分けると2種類、食用と観賞用に分類されます。
それぞれ、生長の仕方に特徴があります。
・食用:上に伸びる立性。種類が豊富。代表品種はコモンタイム。
・観賞用:ほふく性。横に這うように生長する。代表格はクリーピングタイム。
一般的に『タイム』と呼ばれているのは、コモンタイムという品種です。
クリーピングタイムは、食用ではありませんが、ハーブらしい清涼感のある香りはコモンタイムと共通しています。草丈は10cmと低く、地面を覆い隠すようにして繁殖します。
丈夫な性質で、一度植えるとほぼ手がかからないといわれ、ガーデニングのグラウンドカバーとしても人気のある品種です。開花時期は4~6月頃。分枝した茎の先に、5mm程の小さな花をたくさん咲かせます。花色はピンクや薄紫、白です。地面をしっかりと覆ってくれるので、雑草予防にも効果的です。
クリーピングタイムの育て方
日当たりと環境
日光を好み、風通しのいい屋外でよく育ちます。プランターでも地植えでも、育てたい方で育ててみましょう。半日陰の場所でも育ちますが、日光をたくさん浴びると葉の色つやが増し、花付きも良くなります。
耐寒温度は-10℃程度。寒さにはかなり強いため、関東以南の地域では、防寒対策はほぼ必要ありません。強い冷え込みや霜に当たることによって、葉が変色したり、地上部が枯れたりしますが、土中で根は生きているため、春になるとまた新芽を出します。
用土
乾燥した土壌を好むため、水はけのいい土で育てるようにしましょう。市販されているハーブ専用の培養土があると安心です。
日本の土壌は酸性寄りですが、クリーピングタイムはアルカリ性の土壌で元気に育ちます。地植えにする場合、土に苦土石灰をよく混ぜて中和させ、アルカリ性の土壌に整えます。植える環境をつくってから植え付けをするようにしましょう。
苗の選び方
クリーピングタイムの苗は、株の根元を確認し、下葉が傷んだり変色したりしていないものを選びましょう。可能であれば、適度に日の当たる場所で売られているものが理想的です。
水やり
多湿を避け、やや乾燥気味で管理するようにしましょう。水やりは、乾湿のメリハリに気をつけ、「あげるときはたっぷりあげる」「土が乾くまで水やりを控える」のをくりかえすようにしてください。
梅雨や長雨の時期は、土が乾きにくくなるため、プランターの場合は軒下に移動させましょう。
冬は、水やりの頻度を落とし、土の表面が乾いて2〜3日数えてから与えるくらいで大丈夫です。
地植えの場合は、基本的に水やりはせず、自然の降雨に任せましょう。雨が降らず、乾燥が長く続くようであれば、適宜水をあげるようにしてください。
切り戻し
クリーピングタイムは、生長を助けるために、年2回ほど切り戻しをしましょう。
一度目は、花が咲いた後の梅雨前頃。株元でバッサリと切り戻すようにしましょう。株元が蒸れると様子が乱れ、見栄えが悪くなります。また、風通しが悪いと枯れる原因にもなるため、茂り過ぎるようであれば、葉を数枚残した高さで切り戻します。
二度目は冬前です。1/2程度に切り詰めると、春以降に元気な新芽が出やすくなります。
植え替え
クリーピングタイムは、生長を助けるために、年2回ほど切り戻しをしましょう。
一度目は、花が咲いた後の梅雨前頃。株元でバッサリと切り戻すようにしましょう。株元が蒸れると様子が乱れ、見栄えが悪くなります。また、風通しが悪いと枯れる原因にもなるため、茂り過ぎるようであれば、葉を数枚残した高さで切り戻します。
二度目は冬前です。1/2程度に切り詰めると、春以降に元気な新芽が出やすくなります。
株分け
適期は、植え替え同様です。掘り上げた株をざっくりと分け、新しい鉢に植え付けます。さわって崩れるような根があれば、傷んでいるので取り除きましょう。
クリーピングタイムは、地面に接した部分から発根します。株分けの際は、根のついた茎を選んで植え付けるようにすると簡単です。
まとめ
ローメンテナンスでもよく育つクリーピングタイムは、園芸初心者の方や、時間が取れないけれどガーデニングをしたい方にぴったりの植物です。初夏に株を覆うように広がる小花や、爽やかな香りに癒されてみてください。刈り取った茎を、グラスに飾るのも素敵です。