香りを楽しめる植物・ゲッケイジュ(月桂樹)の育て方

細長く、丸みを帯びた葉を茂らせるゲッケイジュ。しっかりした厚手の葉は、すっとした爽やかな香りが特徴的です。煮込み料理のレシピにも登場するローリエとゲッケイジュは同じ植物。鑑賞用でありながら、ゲッケイジュの葉は活用範囲が広いのも嬉しいポイントです。丈夫な性質を持つゲッケイジュは、庭木や鉢植えとしても育てやすく、見栄えする観葉植物のひとつです。

目次

基本情報

ゲッケイジュは、クスノキ科ゲッケイジュ属に分類される常緑高木です。原産地は地中海沿岸。からりとした気候で育つため、乾燥や寒さに強い性質を持ちます。枝が曲がらずまっすぐ上へと伸びる性質があり、生け垣代わりの植栽や公園樹、シンボルツリーとしても人気です。

ゲッケイジュは、ローリエ(Laurier)、ローレル(laurel)、ベイリーフ(bay leaf)などの名称でも知られています。古来より、万能薬と位置付けられ、消化促進・抗菌作用・炎症止めなどに効く生薬として用いられていたといいます。ギリシャ神話にも登場することから、魔を退けて空間を浄化する神聖な植物として大切にされてきました。

ゲッケイジュの花言葉は、「勝利」「栄光」「栄誉」。いずれもギリシャ神話に由来しています。太陽神・アポロンが、ゲッケイジュの葉でつくった冠を、優秀な人たちにかぶらせたという逸話にちなんでつけられた花言葉です。

ゲッケイジュの育て方

日当たりと環境

室内外問わず、日光のよく当たる、水はけの良い場所を好みます。暑さや寒さ、乾燥に強く、土質も選ばずよく育ちます。耐寒性にも優れ、氷点下でも枯れないといわれていますが、冬場の冷たく乾燥した風は苦手です。防寒対策をするか、鉢植えの場合は暖かい屋内で育てるようにしましょう。

水やり

水はけのいい環境を好みますが、水切れにはやや弱い性質があります。土の表面が乾いたらたっぷりとあげ、次の水やりは土が乾くまで待ちましょう。乾燥と水分のメリハリをつける水やりを習慣化すると、根がしっかりと張った良い株に育ちます。

肥料

丈夫で生長も早いため、特に肥料がなくても育ちます。元々樹高が高くなりやすい植物なので、肥料をあげることでより大きく育てることが出来ます。大きさをキープしたい場合は、肥料を意識せず、用土の栄養分でゆったり育てていくのがおすすめです。

植え替え

ゲッケイジュは、根が傷つきやすいため、植え替え時は優しく扱うようにしましょう。根に傷がつくことで、水分や養分を吸い上げる力が弱りやすくなります。

鉢植えの場合は、鉢下から根が見えるようになったら根詰まりしかけているサインです。株を鉢からそっと取り出し、少しだけ根をほぐして古い土を落としましょう。黒く傷んだ根は切り取って大丈夫です。必ず新しい用土に植え替え、たっぷりと水をあげた後は、風通しのいい明るい日陰において回復させてあげてください。

剪定

生長が旺盛で、枝の伸びる勢いが強いので、休眠する冬場以外は、適宜剪定を行いましょう。多少短く切り戻しても問題ありません。直上に成長する性質がありますので、きれいな筒状に仕立てやすいです。全体のバランスを見ながら、混み入った枝葉を落とすことで、風通しが確保出来る上、生長を助けてあげることが出来ます。

増やし方

ゲッケイジュは、挿し木で増やすことが出来ます。7~8月頃に、その年に伸びた枝を15cmほど切り取って挿し穂にしましょう。節間が間延びしておらず、葉の形が小さく揃った部分を選ぶようにしてください。切り口は水につけ、上部分に5枚前後残して葉を落とします。切り口を斜めに切り落として吸水面を広げ、挿し木専用土か赤玉土を敷いた鉢に挿します。発根促進剤を切り口につけるのも効果的です。

たっぷりと水やりをした後は、葉の様子を見ながら発根を待ちましょう。

葉の活用

ゲッケイジュの葉や枝は、用途が広いことで知られています。剪定で切り取った枝葉は、生活の中に取り入れてみましょう。フラワーアレンジの花材や、リース、壁を飾るスワッグになってくれます。乾燥しても枝から葉が落ちないのがゲッケイジュのいいところです。

香辛料として知られているローリエも、自宅で簡単につくれます。刈り取った枝ごと丸洗いし、麻ひもで束ねて吊るして乾燥させるだけ。1ヶ月程かけてしっかりと水分が抜けたら、葉をつみとって密閉容器で保存しましょう。香りづけや、肉の臭い消し、煮込み料理に使えます。たくさん葉が集まれば、小瓶につめてギフトにするのもおすすめです。

料理だけでなく、虫よけにも効果的です。米びつに入れて米の害虫予防、クローゼットに入れて防虫効果が見込めます。ほのかに感じる、自然そのままの香りを楽しんでみてください。

まとめ

ゲッケイジュは、鑑賞するだけでなく、刈り取った枝葉も余さず使える、一石二鳥な植物です。長く育てるポイントは、根の取り扱いと、年3回程度の剪定です。大きく育てたい場合は日当たりの良い場所、管理しやすいサイズ感をキープしたいときは、室内の明るい日陰を定位置にしてみましょう。きれいな葉色とすっきりした香りで、周辺に清々しさを感じさせてくれる植物です。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

植物と共に暮らす魅力の拡散にご協力ください!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次