ホオズキの花言葉

お盆の時期になると、赤い実のついたホオズキがあちこちで見られるようになります。提灯のように垂れ下がるホオズキは、どこか懐かしく、郷愁をそそる植物です。

古くから親しまれてきたホオズキ、その花言葉やエピソードについてまとめてみました。

目次

ホオズキとは?

東南アジア原産のホオズキは、ナス科に分類される多年草です。風船のようにふくらんでいるのは、実ではなくガクです。ホオズキは、初夏に慎ましいクリーム色の花をつけたあと、大きく生長したガクが果実を包み込んで袋状になります。はじめは緑色、8月頃から徐々に赤く色づいて、お盆の頃には見慣れた赤いホオズキの実が見頃を迎えます。

ホオズキには2種類あり、観賞用と食用に大きく分けられます。観賞用のホオズキは、古来生薬として用いられてきた歴史を持ちます。薬効は、解熱や咳止め、むくみ解消、利尿作用などです。

食用ホオズキは、トマトのように甘みと酸味を兼ね備えた果実をつけます。日本ではまだあまり馴染みはないようですが、栄養価の高さから、美容業界を中心に注目を集めています。

ホオズキは、漢字で『鬼灯』と書きます。真っ赤にふくらんだホオズキは鬼火に見立てられ、悪霊や邪気を払ってくれる効果があると信じられていました。ホオズキには他に『酸漿』という字が当てられますが、これは生薬の名前に由来した表記だといわれています。

夏を知らせる『ホオズキ市』

初夏になると、各地でホオズキ市が賑わいます。ホオズキ市の起源は古く、江戸時代中期頃から始まったといわれています。

ホオズキ市が賑わうきっかけは、お寺の功徳日(くどくにち)に開催される縁日だったといいます。功徳日=その日に参拝すると、普段のお参りよりも多くのご利益が得られる日を指します。

浅草の浅草寺では、年に12回ある功徳日の中で、もっともご利益があるのが7/10だといわれ、旬を迎えるホオズキが縁日を彩るようになりました。ホオズキの実には、子供のお腹で暴れる虫を退治したり、原因不明の癪(しゃく)を止めたりする不思議な力があると信じられていたため、功徳日にホオズキを求める人々で大賑わいしたのが始まりだったようです。後年、ホオズキとともに赤い風鈴も売られるようになりました。

ホオズキの花言葉

「自然美」「心の平安」

ホオズキの持つ自然美や、自然がつくる造形美から連想された花言葉だといわれています。

「偽り」「ごまかし」

ホオズキは、ふくらんだガクの中に実をつけていますが、風船のように空洞が出来るのが特徴です。外から見ると、果実は大きく見えるのに対し、実際の実が小さいことに由来した花言葉だとされています。

似た花言葉で「半信半疑」という言葉もついています。実の姿に由来した説とは別に、生薬にも毒にもなりえるホオズキの薬効に対してついた花言葉と解釈する向きもあるようです。

ホオズキは、英語で「ウィンターチェリー(Winter Cherry=冬のサクランボ)」「グラウンドチェリー(Ground cherry=地面のサクランボ)とも呼ばれています。サクランボのようでサクランボではないため、「deception(ごまかし)」という解釈で花言葉がつけられているようです。

「浮気」

観賞用のホオズキには、毒性があるといわれています。浮気相手との子を身ごもった女性が、ホオズキの実を食べて堕胎したことから生まれた花言葉だといいます。江戸時代には、ホオズキは堕胎薬の役割を果たしており、吉原の遊女が使っていた逸話も残されています。

「私を誘って」

ホオズキのふくらんだガクの赤さを、恥じらいで染まった女性の頬に例えた様子から生まれた花言葉のようです。また、ホホと呼ばれるカメムシの一種がホオズキに寄り付く様子に由来するという説もあるようです。

食用ホオズキはスーパーフード

日本では、観賞用ホオズキが一般的によく知られていますが、食用ホオズキは、ヨーロッパを中心にフルーツとして食されているようです。果実には、トマトやパイナップルに似た甘味と酸味があり、生食以外には、ジャムに加工したり、スイーツのデコレーションに使ったりするそうです。

食用ホオズキは栄養価がとても高く、ビタミンAやビタミンC、マグネシウム、カルシウムなどが豊富に含まれています。美容効果以外に、生活習慣病予防、脳の活性化やアンチエイジングに効果があるスーパーフードとして認知されています。

海外だけでなく、日本でもホオズキは注目され、品種改良が盛んに行われています。「ほおずきトマト」「フルーツほおずき」などが国内各地で生産されています。

まとめ

ホオズキは、見た目の鮮やかさやインパクトから、季節を味わうアレンジの花材としても人気です。

ついている花言葉には、ホオズキが親しまれてきた歴史がみえるようです。やや怖い意味合いが含まれていますが、現代であれば、もっと異なった意味合いの花言葉がつくようにも感じます。

ホオズキも、品種改良によって新たな園芸品種が生まれている植物のひとつです。新しい仲間が増えるにつれて、花言葉は増えていくのかもしれませんね。

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