海藻のような陸の植物・アスプレニウムの特徴と育て方

ウェーブがかった長い葉が放射状に広がるアスプレニウム。そのきれいな葉の広がりは、ジャングルを彷彿とさせる反面、海の底で波に揺られる海藻の姿にも見えます。アスプレニウムは、いったいどんな植物なのでしょうか。

目次

アスプレニウムの基本情報

スクロールできます
植物名
別名
科名チャセンシダ科
属名チャセンシダ属
原産地熱帯エリア
日当たり
花言葉
誕生花

アスプレニウムはシダの仲間で、主に熱帯地域に広く分布しています。その数は約700種類といわれ、大きく生長する種類や小型のもの、葉の形や特徴が異なるものが数多く存在しています。

日本にも約30種類が自生しており、沖縄や九州など暖かい地域で見ることが出来ます。観葉植物としてだけでなく、フラワーアレンジメント用の花材としても用いられています。

着生(ちゃくせい)植物の1種

アスプレニウムは着生植物に分類されます。着生植物とは、大きな木の幹や岩場につかまるように張り付きながら生長していく植物です。土が不要なわけではなく、土も他の植物も両方使い分けながら大きくなるたくましさを持っているところが特徴です。コケや着生ラン、ビカクシダなどが同じ分類にあたります。

アスプレニウムの仲間

オオタニワタリ

日本にも自生するアスプレニウムの1種です。葉肉はやや厚め。昆布のように大きく波打った葉がダイナミックに広がる姿は見ごたえがあります。
日本同様、台湾にも自生しています。台湾では食用としてなじみがあり、野菜として販売されています。

シマオオタニワタリ

オオタニワタリと同じく、日本に自生する品種です。アビスという名称でも流通しています。オオタニワタリと比べると小ぶりで、大きくなりすぎないため、ミニ観葉植物として育てやすいです。

アスプレニウム・ブルビフェルム

オーストラリア~ニュージーランド原産のアスプレニウムです。別名マザーファーンと呼ばれています。オオタニワタリやシマオオタニワタリのような幅広の葉ではなく、ヒバのように細く切れ込みが入った葉が特徴です。シダらしく、繊細でやわらかい印象です。

アスプレニウムの育て方

日当たり

アスプレニウムは日陰を好むシダ植物のため、強い日差しが苦手です。1日の中で数時間だけ光が入るような場所、半日陰に置くのがおすすめです。光が入りにくい北側の窓辺でも充分育ちます。

暖かい季節は、屋外に出しても大丈夫です。直射日光は避け、風通しの良の半日陰に置いてあげると、葉の発色もよくなり、丈夫でしっかりした株になります。

葉の乾燥に要注意

アスプレニウムは湿気のある状態を好みます。霧吹きでこまめに葉に湿気を含ませ、空中湿度を保ってあげるようにします。霧吹きを使って葉に水をあげることを「葉水」と呼びます。葉水は、年間通して1日1回はしてあげるようにしましょう。乾燥対策として、土の表面に水苔を敷いてあげるのもおすすめです。

水やり

春~秋までは、水分の蒸発が活発になります。土の表面が乾いてから水をあげるようにします。じょうろを使って、株全体に水が行き渡るようにあげるといいでしょう。じょうろは、株にあたる水圧をやわらげてくれますので、あった方が重宝します。
アスプレニウムは、株の真ん中からうず巻き状の新芽を出します。乾燥が強いと葉の生長が止まります。中央部はしっかり水をかけてあげるようにしましょう。

冬場の寒い季節は、土への水やりは控えめで大丈夫です。葉の様子を見ながら、1週間に1回程度土に水をあげます。水をやりすぎると、株が根腐れを起こします。根腐れは葉が枯れてボリュームが減ってしまうだけでなく、ダイレクトに枯死を招きます。

冬越し

アスプレニウムは耐寒性が比較的強く、5℃あれば冬越しが可能です。

夜間、暖房を切った室内は5℃を下回ることもありますが、環境になじんだ株であれば特に問題はありません。
暖房器具のそばや窓辺は、温度差が生じやすいため避けましょう。床暖房・電気カーペットの上もNGです。株の内部が蒸れ、温度が上がりすぎてしまい、根腐れにつながります。また、エアコンの風が直にあたらないよう注意してください。

冬は、窓から離れた部屋の内側に鉢を移してあげると安心です。

大きくなったら植え替えを

観葉植物は、同じ鉢で育てていると、鉢の中で根が張って詰まってきます。根詰まりすると生長が止まり、葉が折れたり色が悪くなるなど、見た目に影響が出てきます。鉢底の穴から根がはみ出すようになったら、植え替えをしましょう。2年に1回程度、一回り大きな鉢に移してあげるのがおすすめです。オオタニワタリは葉が増えすぎると重くなり、鉢が倒れやすくなります。

植え替える際は、新しい鉢の底に軽石を敷き詰め、通気性を確保します。元の鉢から株を抜き、根をやさしくほぐして状態を確認し、黒ずんだ根があれば切り落としましょう。根を全体の1/3程度にまで切り戻し、新しい鉢に植え替えます。

植え替えは、生長が活発になる5~7月くらいに行うのがおすすめです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。葉がふわふわと広がるアスプレニウムは、鉢植えだけでなくハンギングプランツとしてもおすすめです。色味がさびしい空間にひとつ吊るすだけ。アスプレニウムの明るい緑が差し色になり、とてもきれいです。

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