太陽の光を受けて、明るく大きな花を咲かせるハイビスカス。南の島やリゾートなど、憧れの非日常感を喚起させてくれるお花です。コスメやフレグランス、ボタニカルモチーフとしても知られているハイビスカスには、たくさんの魅力的な花言葉が隠されていました。
ハイビスカスの基本情報
ハイビスカスの名前の由来
ハイビスカスは、ヒビス(Hibis)と呼ばれるエジプトの神様の名前に由来するといわれています。ヒビスは美を司る女神として言い伝えられています。
古くから、日本では「ブッソウゲ(仏桑花・扶桑花)」という和名で親しまれていました。中国原産という説があるため、英名では「チャイナ・ローズ(中国のバラ)」と呼ばれることも。
ハワイの州花として知られるようになって以降、ハイビスカスという名前が定着したようです。
ハイビスカスの逸話
花の色はさまざまでも、ハイビスカスは一様に中央が赤く染まっているのをご存知でしょうか。この赤にまつわる逸話がハワイには残されています。
昔、ハワイにはたくさんの小人や妖精がいました。妖精たちは皆働き者で、毎日島に咲く花の世話をして暮らしていました。ある日、妖精の女王様は、働かずに遊んでばかりいた王女に、ハイビスカスの雄しべを花の中央に縫い付ける作業を命じます。泣きながらいやいや作業を始めた王女は、うっかり針を指に刺してしまい、指から流れた血でハイビスカスの真ん中を汚してしまいました。それを見た王女は、汚れたのはハイビスカスのせいだと責め立てます。罪を着せられたハイビスカスは弁解しようとしましたが、王女は許さず、ハイビスカスを踏みつけて怒りました。
その後、王女は反省してハイビスカスに謝り、ハイビスカスも王女を許しましたが、花の中心には血の跡が残ったまま消えることがなかったということです。
ハイビスカスは、ハワイで暮らす人々にとって身近な花です。花をつなげてレイにしたり、花冠に混ぜたり、髪飾りとして耳の横に挿したりと、アクセサリーとして身につけられることも多い花のひとつ。
ちなみに、髪飾りをつける場合、既婚者は左側に、未婚の方は右側に飾るというローカル文化があります。
夏バテにも有効?
花の美しさで知られるハイビスカスですが、花びらを用いたハーブティーでもよく知られています。お湯を注ぐと表れる鮮やかな赤色と、目がさめるような酸味が特徴的です。
酸味の元はクエン酸やリンゴ酸。疲労回復や代謝アップに効果的な成分です。
ビタミンも豊富なため、シミ予防・日焼けケア・美肌効果が望めます。
加えて、含まれるカリウムは、むくみの解消にも効果あり。
ハイビスカスのハーブティーは、夏バテや暑い季節のからだケアにぴったりです。はちみつを入れると酸味がやわらぎ、ジュースのような飲みやすさに変わります。出がらしは入浴剤としても使うのもおすすめです。
ハイビスカスの花言葉
鮮やかに大きな花をつけるハイビスカスですが、ひとつの花が咲く時間は短く、1日で萎れてしまう特徴があります。ハイビスカスの花言葉は、その花の様子にちなんでいます。
ハイビスカス全般の花言葉
ハイビスカス全般の花言葉 …「繊細な美」「新しい恋」「勇気ある行動」「勇ましさ」
花もちは1日ですが、次々とつぼみをつけて咲き続けるため、花の時期としては長いのが特徴です。
「新しい恋」は、ひとつしおれてもすぐにまた咲く花を恋心に見立てた言葉です。
また、勇ましい様子を表す花言葉は、ハイビスカスの花が躊躇なく大きく開く様子に由来しているといわれています。
5枚の花びらに込められた思い
ハイビスカスは、「あなたを信じる」という花言葉も持っています。
特に縁が深いのは、ハイビスカスを国花に掲げるマレーシアです。マレーシアでは、5枚の花びらそれぞれに思いが込められ、国の象徴として大切にされています。
- 神様を信じること
- 国や国王を思うこと
- 法律を守ること
- 法律に沿った国を作ること
- 徳を積むこと
神様や国を信じ、自分を信じる思いが込められた5つの言葉です。
ハイビスカスは、マレー語で「ブンガラヤ」という名前で呼ばれています。国花として指定されているのは、赤いブンガラヤ。赤い花の色は勇気の象徴ともいわれています。
色別の花言葉
ハイビスカスは、色によって異なる花言葉を持っています。
- 赤……「常に新しい美」「勇敢」
- 白……「艶美」
- 黄……「輝き」
- ピンク……「華やか」
- オレンジ……「繊細な美」
いずれも、花の色から連想させるイメージが元となった言葉のようです。
色の持つ印象によって、美しさの種類が異なる、伝わりやすい花言葉が多いですね。
トロピカルフラワーの花言葉
ハワイを代表するハイビスカスですが、同じくらい有名なトロピカルフラワーの仲間が他にもいます。
それぞれ、どんな花言葉があるでしょうか。
- ブーゲンビリア……「情熱」「魅力」
- プルメリア……「気品」「ひだまり」
- ジンジャー……「豊かな心」「慕われる愛」
- アンスリウム …「恋にもだえる心」「情熱」
どの花にも、太陽をたくさん浴びて育ったおおらかさや華やかさをうたった美しい花言葉がつけられています。
いずれもハイビスカス同様、南国を象徴する花として知られています。
コスメやフレグランス、ファブリックやジュエリーのモチーフとして用いられているだけでなく、香りに特徴のあるプルメリアやジンジャーは、香水やアロマキャンドルにもよく登場します。
まとめ
ハイビスカスには、たくさんの花色や咲き方の異なる仲間がたくさんいます。花言葉を参考にしながら、ぜひ気に行ったものをひと鉢、おうちに迎えてみてください。朝起きて、大きな花が咲いているのを見ると、心から元気になってしまいますよ。