ぽってりとした小さな手のひら形の葉を持つシェフレラ。100円ショップの園芸コーナーでも見かける、育てやすい定番の観葉植物のひとつでもあります。鉢植えで、小さくも大きくも育てられるシェフレラは、初心者の方にもおすすめしたい植物です。
基本情報
シェフレラは、温帯~熱帯地域に広く分布し、その種類は約600種にのぼるといわれています。
常緑性の低木ですが、高くなる種類では10mを超えるものも。湿度の高い雨林に自生し、大きくなると気根を生やし、他の樹木にからまるように生長します。
鉢植えの他、ハイドロカルチャーなど水耕栽培でもよく育ちます。環境への順応性が高いため、比較的どんなお部屋でも育てやすい観葉植物です。別名でヤドリフカノキ・ホンコンカポックとも呼ばれています。
特徴は「幹のやわらかさ」
シェフレラは、幹が木というより茎に近く、やわらかい性質を持っています。本来、他の木に寄りかかるようにして生長する性質があるため、大きくなると葉の重みで幹がななめに曲がるようになります。特に、日の光が1方向からしか入らないワンルームなどで育てる場合は、光に向かって育つため、まんべんなく向きを変えて育ててあげるのがおすすめです。
まっすぐな樹形を保って育てたい場合は、早めに支柱を立て、誘引してあげるようにしましょう。反対に、この性質を利用して、生長に任せた自由な樹形に仕立てていくのも面白いかもしれません。
シェフレラは生育旺盛なので、幹が伸びるのも早いです。木のバランスを見ながら育ててみましょう。
カポックとシェフレラは同じもの?
混同されている「カポック」と「シェフレラ」ですが、様子が似ているものの、元々は違う植物です。専門的なグループ分けとして、シェフレラはウコギ科、カポックはパンヤ科と区別されています。
これらの名前が混じるようになったのは、日本に入ってきた当初、シェフレラが「ホンコンカポック」という名称で流通していたことに由来します。
ただ、この呼び名の紛らわしさは国内だけのもの。海外同様、近年では「シェフレラ」で流通することが多くなってきています。
シェフレラには、ポピュラーなホンコンカポックの他に、ハート型の葉をしたシェフレラ・レナータ、傘に似た葉を持つシェフレラ・ツピタンサス、黄色く斑(ふ)の入るバリエガタなど、印象の異なる品種が複数あります。
いずれにも共通しているのはエキゾチックな雰囲気ですが、くせがないため、葉の色や合わせる鉢によって、和風にもスタイリッシュにも仕立てられる植物です。
シェフレラの育て方
日当たりのいい場所におく
シェフレラは日当たりがよく、明るい場所を好みます。春~秋の生長期に日光によく当てるようにすると、締まった丈夫な株になります。耐陰性があるため、光の弱い場所でも育ちますが、定期的に明るい場所で日光浴をさせてあげるようにしましょう。日陰→日向など、急激な日差しは株を弱らせるため、徐々に場所を移して慣らしてあげるのがポイントです。
水は乾かし気味に
シェフレラは比較的乾燥に強いため、やや乾かし気味を意識しながら育てるようにしましょう。水やりは、土の表面が乾いたら、鉢底から水があふれてくるまでたっぷりとあげるようにします。暑い季節は土が早く乾き、寒い季節は遅くなります。いずれも、土がしっかり乾いたことを確認できてから、次の水やりをするようにしましょう。
冬越しは比較的楽
シェフレラは比較的寒さに強く、5℃あれば冬越しできます。温度変化の起こりやすい窓際は避け、暖かい室内の奥側に置いてあげましょう。エアコンの風が当たると葉が乾きすぎてしまうため注意が必要です。
仕立て直し
生長期にはどんどん新しい葉を増やします。葉が増えすぎると風通しが悪くなるうえ、軽い鉢だとバランスを崩しやすくなります。葉が重なるようであれば、間引いて切り落としてあげましょう。
シェフレラは、側枝が出来にくい性質があるため、枝を増やしてこんもりと育てたい場合は、好みの高さまで育てたら先端の芽を切り落としましょう。先端を摘むことで、脇芽が伸びてきやすくなります。
1~2年に一度植え替えを
鉢が根詰まりを起こすと、生長が鈍くなります。1~2年に1度、植え替えをするようにしましょう。
植え替えは、生長期の序盤、4月前後がおすすめです。株を鉢から抜き、優しく土を落としながら、伸びた根をほぐします。傷んだり黒ずんだ根があれば、まるまる整理しましょう。全体的に根を1/3ほどまで切り詰めたら、土に植え替えます。植え替える際は、鉢と鉢底石、土は新しいものを使うようにすると失敗が少なく、植え替え後もよく育ちます。
まとめ
シェフレラは、中~大型のものであればパーテーションにもぴったりな植物です。植物を間仕切りに使うと、光を遮らず、適度に空間を区切ってくれる効果があるのでおすすめです。
日の光を浴びて、頭のうえから小さな葉っぱをどんどん出して生長していくシェフレラのかわいらしさを、ぜひお家で味わってみてください。