多肉植物・ハオルチアの育て方と種類

数ある多肉植物の中でも、特に人気の高いハオルチア。ぷちぷちとはじけそうな果肉を連想させる、みずみずしい植物です。ハオルチアの特徴や仲間たち、上手な育て方についてまとめてみました。

目次

ハオルチアの基本情報

ハオルチアは、ロゼット状に生長する、春秋生育タイプの多肉植物です。原産地は南アフリカ。砂漠地帯に自生する植物です。アロエのような質感の葉が放射状に広がり、幾何学模様をつくる株姿が魅力のひとつです。ハオルチア属の植物は、約500種ともいわれ、生長しても15cm程の手ごろなサイズ感にとどまるものが多いです。

やわらかい葉と透明感のある姿がよく知られていますが、こちらは「軟葉系」と分類されます。ハオルチアには、葉が硬くとがった形を楽しめる「硬葉系」の種類もあります。

ハオルチアの花言葉は「小さな愛」。

生長すると、葉のすきまから細い茎を伸ばし、白やピンクの花を咲かせます。花言葉は、小さな株姿や花に由来するといわれています。

特徴は透明感のある「窓」

皮をむいたブドウのように、ハオルチアの葉先には半透明の部分があります。これらは「窓」と呼ばれ、模様や色合い、光の透け具合を楽しめる大きなポイントでもあります。

自生地では、ハオルチアは葉先を残し、株を地面に隠して生息しています。効率よく日光を取り込むため、窓というかたちで進化したといわれています。

ハオルチアの仲間たち

ハオルチア・オブツーサ

ぷっくりと丸い葉先と透き通った窓が神秘的なオブツーサ。ハオルチアの中で特に人気のある軟葉系品種です。透明感があり、クリスタルプランツと分類されることも。ムラサキギョクロ(紫玉露)、シズクイシ(雫石)の和名を持ちます。

ハオルチア・レツーサ

とがった葉先と、葉に入る筋状の模様が特徴的なレツーサ。葉先にやや丸みがあるもの、三角柱のような葉をしたもの、シャープな形をしたものなどもあります。シンメトリーで繊細な株姿は、ガラス細工に例えられる美しさです。

ハオルチア・十二の巻

硬葉種を代表する品種で知られ、白いしま模様の葉姿が特徴的な十二の巻。丈夫で育てやすいので初心者にもオススメ。耐寒性は高く、20cmほどまで育ちます。小さな白い花が可愛くアクセントになります。

ハオルチアの種類は多く、つけられた名前もさまざまです。

平たい葉を扇のようにつける「玉扇」、小さな三角の葉を規則正しく重ねながら上に向かって成長していく「ビスコーサ」、水平に切られたような葉がロゼット状に展開する「万象」など、まるで少年漫画の技名のような、ユニークな品種も目立ちます。

育て方/生育環境

日当たり

ハオルチアは、強い日差しを必要としません。通年、室内か屋外の明るい日陰に置くようにしましょう。

直射日光をたくさん浴びると生育が遅くなるだけでなく、葉先の窓部分に艶がなくなる可能性があります。

水はけがいいものを選びましょう。市販されている多肉植物用・観葉植物用の培養土が便利です。

土は通年、乾かし気味に管理します。

気温

ハオルチアには、1年のあいだに生長期と休眠期が2回ずつ訪れます。

生長期 …春~初夏(4~6月)・秋(9~11月)

休眠期 …真夏(7~8月)・冬(12~3月)

よく生長する気温は15~20℃、越冬が可能な気温は5℃前後です。

水分が多いため、冬は霜を避け、凍らせないように注意が必要です。

水やり

生長期は、土が乾いたらたっぷりと水を与え、休眠期は水やりの頻度を控えます。

土が湿りすぎていると根腐れを起こすことがあるので、土を指でさわり、湿り気がなくなってから水やりをするようにしましょう。体内に水分を蓄える性質があるため、水をやり忘れてもすぐ枯れてしまうことはありません。

ハオルチアに花がついたら、1~2輪咲いたところで茎を残し、切り落とすようにしましょう。しばらく経つと、残った茎茶色く乾燥するので、簡単に引き抜けるようになります。

ややもったいない気もしますが、花がついたままだと体力をうばわれ、株が弱る可能性があります。

ハオルチアの増やし方

葉挿し

ハオルチアの葉を茎から外して使います。土の生え際に近く、しっかりと太った葉を使うようにしましょう。葉挿しをする場合、葉に蓄えられた栄養を使って発根するため、養分が少ない葉では根が出にくくなります。

葉の切り口を乾かしてから、葉を仰向けにして、切り口に軽く土をかぶせます。

葉挿しの後は水やりを控えましょう。2~3週間ほどで、芽や根が出てきます。出てきた根には土を軽くかけて生長を促します。根がしっかり出てきたら葉を鉢に植えつけます。水やりは、新しい鉢に植えた後、3〜4日待ってからあげ始めるようにしましょう。

株分け

親株の根元にできる子株を切り離し、別の鉢に植えて育てる方法です。

子株には根が生えているので、枯れてしまう心配が少ないというメリットがあります。

根の生えた子株を、親株から切り離します。この際、子株の根が長い場合は、植えやすい長さに切りましょう。根の切り口が乾いてから、鉢の中心に子株を据え、土を周りに軽くかけて支えます。

植えつけをしたら、子株の根が腐ってしまわないよう、3〜4日は水やりをせずに管理します。根が伸びてしっかりしてきたら、根元を土で覆ってあげましょう。

まとめ

ハオルチアは、ずっと手のひらサイズで育てられるうえ、何度でものぞきこみたくなる「窓」のきれいさも魅力です。大きさや形も迷ってしまうほどあるので、ぜひお気に入りを見つけてみてください。

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