「母の日」を連想させるカーネーション。
お花にあまり詳しくない方でも、手に取った機会が1度はあるのではないでしょうか。
薄いリボンを束ねたようなフリル状の花はひらひらと広がり、1輪でも強い存在感があります。
今回はカーネーションの花言葉を花の色別にまとめてみました。
カーネーションの基本情報
お花屋さんでは、カーネーションは比較的いつの季節でも手に入りやすい定番の花となっています。
ナデシコの仲間で、ジャコウナデシコ(麝香撫子)・オランダセキチク(和蘭石竹)の和名があります。
鉢花としても人気があり、花の最盛期は3~5月くらいです。
カーネーションの名前の由来には諸説あります。
- 戴冠式=coronation(コロネーション:英語)
イギリスで戴冠式の花冠をカーネーションで作っていたことから - 肉体の色=carn(カーン:ラテン語)
花の赤色が人の肌や肉の色に似ていることから
どちらが正しいという説ははっきりしていないようです。
カーネーションは、生花だけでなくプリザーブドフラワーとしても人気があります。
プリザーブドフラワーは、咲き姿の一番きれいなときに特殊加工を施すため、その仕上がりは生花と見分けがつかないほど。生花にはないカラーバリエーションがあるのも魅力のひとつです。
カーネーションと母の日
お母さんに日頃の感謝を伝える「母の日」が生まれたのは、およそ100年前のアメリカだったといわれています。ウェストヴァージニア州のアンナ・ジャービスという女性が、亡くなったお母さんの追悼のために、教会で白いカーネーションを配ったことが始まりだとされています。それが1908年5月10日だったことから、後年にアメリカで「5月の第2日曜日=母の日」と制定されました。
海を渡って日本に「母の日」が伝わり、徐々に広まったのは明治後期から大正の始めくらいだったと伝えられています。
赤やピンクの花がギフトに選ばれることの多い母の日ですが、始まりは白いカーネーションでした。
地域の差はありますが、現在でも、故人を偲ぶ・悼む思いを込めて、白いカーネーションが捧げられる文化が残っているようです。
カーネーションの花言葉
実は色のバリエーションが豊富なカーネーション。
全般に共通する花言葉は、「無垢で深い愛」です。
英語では、「fascination(魅惑、魅力)」「love(愛情)」「distinction(卓越、名声)」という花言葉があります。
カーネーションは色ごとに花言葉がつけられています。
日本と英語、両方の花言葉をまとめて見ていきましょう。
赤いカーネーション
日本の花言葉 …「母への愛」「熱烈な愛」「愛を信じる」
英語の花言葉 …「My heart aches for you(あなたに会いたくてたまらない)」「deep love(深い愛)」「admiration(敬愛・感嘆)」
母の日の定番カラーでもある赤いカーネーション。同じ赤でも、発色のいい赤だけでなく、シックで落ち着いた深い色味も人気です。
白いカーネーション
日本の花言葉 …「純粋な愛」「私の愛は生きています」「尊敬」
英語の花言葉 …「sweet and lovely(かわいくて愛らしい)」「innocence(純潔)」「pure love(純粋な愛)
白いカーネーションは、上品で可憐な印象を与えてくれます。故人を偲ぶ花という説もありますが、もちろん贈り物にもおすすめです。白1色ではなく、明るい色を混ぜたブーケにしてもきれいですよ。
ピンクのカーネーション
日本の花言葉 …「女性の愛」「感謝」「熱愛」「美しいしぐさ」
英語の花言葉 …「a mother’s love(母の愛)」「a woman’s love(女性の愛)」「I’ll never forget you(あなたを決して忘れません)」
アメリカでは、ピンクのカーネーションが母の日の定番とされているようです。日本語では「感謝」の花言葉がありますので、赤同様、ピンクも贈る色としてポピュラーです。
黄色いカーネーション
日本の花言葉 …「軽蔑」
英語の花言葉 …「disdain(軽蔑)」「You have disappointed me(あなたには失望しました)」「rejection(拒絶、拒否)」
カーネーションに限らず、黄色い花には「裏切り」「悲しみ」など、怖い花言葉が多くつけられています。キリストを裏切ったユダが着ていた衣服が黄色だったことに由来しており、昔の西洋文化の名残ともいえます。
紫のカーネーション
日本の花言葉 …「誇り」「気品」「気まぐれ」「移り気」
英語の花言葉 …「changeable(変わりやすい)」「capriciousness(気まぐれなこと)」
高級感のある紫のカーネーションですが、ややわがままそうな性質の花言葉がついてまわります。高貴さが際立ちすぎて「気まぐれ」の花言葉がついたのではないかといわれています。
カラーバリエーションはまだまだあります。
- グリーン …「癒し」
- オレンジ …「純粋な愛」
- ブルー …「永遠の幸福」
カーネーションには、こんなにたくさんの色があるのですね。
まとめ
ひとつの花が持つ花言葉には、明るい言葉とネガティブな言葉、両方が含まれていることが多いです。また、これが正解!というものはなく、どれも正解です。
花言葉を参考にしつつ、お母さんにはどれが似合いそうなのか、カーネーションの色合いで選んでみてもいいのではないでしょうか。
カーネーションは、国内外問わず生産量の多い花のひとつです。品種改良もさかんで、大ぶりなものや小さく咲くものなど、花姿の種類も増えてきています。母の日が近づくたびに、あまり見たことのない色のカーネーションを見つけることが出来るかもしれません。