植物が成長すると、葉が茂り、ボリュームを増していきます。手入れの際に切り落とした葉や枝を使って、植物を増やしてみるのはいかがでしょうか。お気に入りの植物を増やして飾り、お部屋をさらに素敵な空間にしてみませんか。
植物の増やし方
観葉植物の種類によって方法は異なりますが、増やすにはいくつかの方法があります。用語を知っておくと、今後お役に立つかもしれませんので、併せてご紹介していきます。
種まき
種を土にまいて発芽させる方法です。出た芽から苗へと育てていくため、多少時間がかかるのと、成功率がやや低い点が否めません。ですが、芽が出ればすごく嬉しいですし、少しずつ成長する変化を見守る醍醐味があります。大事に育てた分だけ思い入れも深まっていく、楽しい増やし方です。
株分け
成長して増えた株を根元から分ける方法です。複数の株に分かれているものを小分けにして、それぞれ鉢に植え替えます。鉢内の株が多すぎると、全体に栄養が行き渡らず、成長がしにくくなってしまいます。株分けをすることで植物が増やせるだけでなく、元の株も成長しやすいよう整えてあげられるのです。
挿し木(さしぎ)
観葉植物の増やし方では最もポピュラーな挿し木。茎や枝を切り取って土に植え、増やしていく方法です。水につけて根を出させる「水挿し」もこの方法のひとつです。水挿しのままガラス瓶などの容器に入れて水耕栽培を楽しむのも手軽でおすすめです。
切り取った茎や枝を「挿し穂(さしほ)」、植える土を「挿し床(さしどこ)」と呼んでいます。
葉挿し(はざし)
サボテンなどの多肉植物を増やす際に使う方法です。乾いた土の上に葉を並べて置き、葉の根元から根や芽が出てくるのを待ちます。葉挿しのあいだは変化がわかりにくく、枯れてしまうのではないかと心配になりますがじっとがまんです。根が出てきたら鉢に植え替えます。
挿し木の方法
では、一般的な挿し木の方法を見ていきましょう。
【用意するもの】
- 剪定バサミ(切れ味がよく、清潔でさびていないもの)
- 植木鉢
- 鉢底石
- 土(挿し床用の土があればOKですが、なければ観葉植物用の土)
- 割りばし
- 水を入れた容器
挿し穂の用意
茎や枝をカットします。切り口は水を吸いやすいよう、斜めに切り落とします。切る際は、断面の細胞がつぶれてしまわないようきれいに切りましょう。
挿し穂にするのは、元気で若い芽があるものがおすすめです。葉が多い場合、上の2~3枚を残して切り落とします。
挿し穂を水につける
1~2時間、挿し穂を水につけて吸わせておきます。水挿しにする場合はここで終わりです。ガラス・プラスチックなどの透明な容器に挿しておくと、根が出たかどうかがわかりやすいです。水挿しで根が出てから土に植え替えてあげてもOKです。水挿しより土に植えた方が成長は早くなります。
土に挿す
植木鉢に鉢底石を敷き、土を入れておきます。土にあらかじめ水を吸わせておくと、挿し穂が安定しやすくなります。土の中央に指で穴をあけ、挿し穂を入れて根元の土をかぶせて固定します。茎や枝が安定しにくい場合は、割りばしを立てて支えてあげましょう。
風通しのいい場所に置く
定着するまで、1~2週間ほど、水やりや直射日光を控えます。風通しのいい日陰に鉢を置いて見守りましょう。数日経って極端に挿し穂が萎れる様子がなければ安定しています。根が定着すると、挿し穂から新しい芽が出てきて成長が始まります。
挿し木で増やせる観葉植物
増やしやすい手法である挿し木。どんな植物が挿し木で増やせるのでしょうか。
ポトス
観葉植物の中でもよく知られているポトス。つやつやした緑色の葉っぱと、つるが伸びて垂れ下がっていく様子がきれいです。丈夫で生命力がとても強く、置き場所を選ばず育ってくれる人気の植物です。成長期にはぐんぐんつるが伸びていきます。水挿しにして、玄関やお風呂場に飾ってみるのはいかがでしょうか。伸びたつるを利用して、ポトスタワーも自作可能です。
アイビー
ポトス同様、育てやすいポピュラーな観葉植物として広く知られています。緑1色のものや白いふちどりがあるものなど、流通している種類も豊富です。つるを切らずに長く垂らしたまま増やしてもいいですし、短めにたくさん挿し木をしてボリュームを出すのもきれいです。
ドラセナ
観葉植物としてだけではなく、お花のブーケなどにも使われているドラセナ。しゅっとまっすぐに伸びた大きな葉が特徴的な植物です。お花屋さんに売られている茎を水挿しで発根させ、土に植え替えれば、簡単にドラセナの鉢植えがつくれます。ちなみに、100円ショップでよく見かけるミリオンバンブーもドラセナの仲間です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。 ご覧いただいたように、植物の増やし方にはバリエーションがあります。植物の性質によって増やしやすい方法は異なりますが、どれも意外と簡単に出来る方法ばかりです。ご自宅の植物を増やす際の参考にしていただければ幸いです。